紅の十字架

□使者の合流
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「お久しぶりです、リナリー様」


「!あなたは…アジア支部員の…」


「ウォンにございます」


港に戻ってきたリナリー達を待っていたのは黒の教団アジア区支部長補佐役であるサモ・ハン・ウォンだった


「取り急ぎ我ら支部長の伝言を、お伝えに参りました」


「伝言?」


「こちらの部隊のアレン・ウォーカーは我らが発見し、引き取らせて頂きました」


「本当に…!?」


「はい」


「彼は…アレンくんは無事なの?
お願い、ウォンさん。今すぐアレンくんに会わせて」


「あなた方は今すぐ出航なさってください

──アレン・ウォーカーとは中国(ここ)でお別れです」


ウォンの言葉にリナリーは目を見開いた


「辛いと存じますが、お察しください」


「リナリー、お前もティムのメモリーを見ただろ
あいつは左腕(イノセンス)を失ったんだ
あの時点でどのみち、アレンはエクソシストじゃなくなった

オレ達は進まなきゃならないんだ」


「ですが、私共の船は昨夜の戦闘でひどくやられました
今すぐとはとても…
修理には相当かかります」


「それについては心配いらない。彼女がいるから今すぐにでも出航できる」


「え?」


「──彼女、ミランダ・ロットーならね」


「恭弥…?」


船から飛び降り綺麗に着地しながら告げたのは雲雀だった
共に来たであろうミランダもトランクを片手に船から降りる


「なんでここにいるさ。確か恭弥は…」


「神田とは別行動するようにコムイに言われたんだよ。全く…冗談じゃない」


「ラビ、この者は誰であるか?」


「こいつは雲雀恭弥。俺達と同じエクソシストさ」


「アレイスター・クロウリーである…よろしくである」


「(プイッ)」


「あー…悪いな、クロちゃん。恭弥は初めて会うやつにはいつもこんな感じなんさ
ちなみにおっかねぇ彼氏持ちな」


「??」


「…少し船から離れなよ
いいよ、ミランダ」


「はい…」


雲雀がミランダに合図をすると彼女の右肩にあった盤が手の甲まで降りてくる


「(《刻盤》、イノセンス発動!!)
対象空間を包囲──確定!

これより私の発動停止まで秩序を亡失(ロスト)し、時間回復(リカバリー)します


──時間回復!!!」



先程まで所々崩れていた船が一瞬にして傷を負おう前の状態に戻ったのを見て雲雀とウォン以外の全員が驚愕の表情を見せた


「あ…あの…
(はっ!も、もしかして船直しちゃいけなかった…?新入りのくせにでしゃばって引かれてるんだわ)」


「ミランダ?」


「ヒィィィィィ!ごめんなさいごめんなさい〜〜〜っっ!!」


「あっ、ミランダが海に…」


「何やってるんですかーっっ」


「ほっといて、あたしなんかほっといてえぇぇ!」


「ちょ、ミランダが沈んでってる!」


「「行け、ラビ!」」


「え────っ!!」



海に身投げしたミランダを見て雲雀とブックマンがラビの背中を蹴って助けるように促す
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