紅の十字架

□幻想の果てに
1ページ/4ページ

「もう一本だ、じーさん」


「ほっほっほっほっ、来るがいい神田。組手ならまだまだ若いモンに負けはせんわ!」


「すごいである、ブックマン!鬼の神田に一歩も引けをとらんとは!」


「そろそろ、どちらが真のポニーテールか決めようぞ」


「負かす」


「神田先輩強いっス…」


「やれ、じじいっ
俺らとファインダーの敵をとってくれさー」


「(よし、コイツ終わったら恭弥とメシいくか)」


「ふわぁ〜……眠い……
ブックマンのあれってポニーテールじゃないよね……まぁ、どうでもいいけど」


「ボコボコにしてくれ、ブックマン!特に顔を!」


「潰れろ、神田ぁああ!」


「(ピクッ)……咬み殺す……」


「「「ぎゃああああ!!」」」


「恭弥の前でユウを負かそうとする話は禁句さー」


「雲雀先輩、怖いっス」


遠い目をするラビとチャオジーを他所に雲雀はファインダーを薙ぎ倒していく


「……眠い……マリー、眠いー」


「恭弥…何時間寝たんだ?」


「うーん…2時間?…ねぇ、何話してたの?」


「アレンと神田が衝突する理由だ」


「……似た者同士、自己嫌悪…そんなところじゃない?」


「そうだ」


「んなっ!?
冗談でしょ!あんな、バカまっしぐらと一緒にしないでくださいよっ」


「いや、アレンもバカまっしぐらでしょ」


「……そのくせ、捕らわれてる闇が深すぎて、どうやったら救い出してやればいいのかわからん
もどかしいよ。あいつは私を救ってくれたのにな……」


「え?」


「マリ……」


「スキありっ」


「げっ」


マリは左手でアレンを吹き飛ばした
飛ばされた先には大柄の男性


「きっ、汚いですよ、マリ!!」


「「「!?」」」


「!ウォーカー」


「ん?
わっ、すみません」


アレンは男性と目が合左手が重なる
すると、男性によってアレンは石柱へと吹っ飛ばされた


「……あの時の、緋装束……?」


「な…なんだよ…っ、突然…、ぐ……っ」


吹き飛ばされたアレンはいつの間にか神ノ道化を発動しており、ふらりと地面に落ちた


「アレン!?頭を打ったのか?じっとしてろ」


「……なんだ、この違和感」


「何してる、ゴウシ」


「ち…副作用だ
イノセンスに反応して発動した…っ」


「なんのマネだ、ゴウシ
アレン・ウォーカーは今、私の任務対象だぞ。なんの理由があって《鴉》のお前たちが彼に手を出す!?」


「《鴉》……だって?」


「「ハワード・リンク監査官」か」


「発動を解け、ゴウシ」


「着任早々、マダラオの説教くう気か」


男性と共にいた二人の緋装束の人物が咎めると男性の左手は元に戻った


「なんの騒ぎであるか?」

「どしたさ〜アレン?」

「ありゃ」

「血出てんぞ」


「来んの遅っ」


「なんさ、こいつら?」


ラビは3人の人物に気づくと疑問を浮かべた


「失礼しました、アレン・ウォーカー
我らが半AKUMA化した者ゆえ、イノセンスを受け付けぬのです
何卒、ご容赦を」



「……っ、まさか……ルベリエが……」


「…………」


「そう。無言は肯定と受けとる
きっと……失敗するよ。残念だったね。暴走するか、ノアや伯爵に狙われるか…僕には関係ないから構わないけれど」


「随分と嫌われているようだ」


「嫌いだね
アイツが関わって、あの計画がこっちでも続いていたんだから」


「しかし、これからは一緒に任務等をするのですから、よろしくお願いしますね、《第二使途》様?」


「…、…勝手にすれば……」


一度睨み付けてから、プイッと顔を逸らして雲雀は荒々しくその場から去っていく



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ