紅の十字架
□黒の教団のピンチ
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次にミランダがマリの首筋に噛み付いた光景に、周りは表情が固まり、当の本人であるマリは珍しく真っ赤になる
「え…マリ…?」
しばらくしてからマリは雲雀の手を引いたあと、顔を近づける
雲雀は必死に振りほどこうともがくが、今の体は女性。男性の中でも力のあるマリには敵うはずもなく…逃げられない雲雀は涙目になる
「嫌ぁ……っ」
「俺の恭弥に何しやがる!」
思いきりマリの顎を狙って神田が蹴ると雲雀は開放されて神田へと抱きついた
「ふぇっ…、こ…怖かったよぉ……!」
「…もう大丈夫だ」
「なんか、変じゃないスか?」
「な、なんだよオイ」
婦長を筆頭に噛まれた者がフラフラと立ち上がり迫ってくる
その顔は醜く、目は瞳孔が開き、呻き声をあげていた
その様子は到底正気とは言えず……
「こいつら正気じゃねェぞ!」
まだ正気を保っている者達をアレンが神ノ道化で助けてリーバーを先頭に科学班の部屋を飛び出して廊下を走る
どうにか物置部屋に逃げ込んだアレン達
「…ゾンビとかやだぁ…」
アレンと神田、ラビは小さな窓から教団内を歩き回る仲間を見てゾッとした表情を浮かべた
「普通、ゾンビって遅くてノロマなものじゃないの!なんで、あんなに速いわけ?!」
まるでゾンビのようになってしまった彼ら。雲雀の言葉通り彼らはとても足が速かった
体力のない科学班はゼエゼエと息を切らしながらも何となく直感していた
──これは絶対ウチの巻き毛が関わっている気がする、と
「噛まれると傷口から感染してああなっちゃうから気を付けて」
「感染だあ?」
「なんでそんなことわかるんだよ……」
疲れきった神田とアレン、ラビは窓から離れペタンと床に座り込む
「ボクが作ったウイルスだから」
………………。
空気が、一瞬固まった
「確保おお!」
「このやろうコムイ!」
「縛れ!」
と思いきや、掛け声とともにコムイを取り押さえるべく飛び掛かる
科学班の予想通り、騒動の元凶は彼であり
そして──……
バコッ、ベキッ!
ガンガン!ボコッ!
「これがボクの仕業だって?そんなことするはずないじゃないか!」
──ぷしゅー…
「キミ達がボクをそーゆう目で見てたとはね!よーっくわかりました。撃っちゃいたまえコムリンEX」
「イ〜エーックス」
「もう撃っとるわ」
「疑われてもしょうがない生活態度とってるからでしょ!」
そこにいる男全員でコムイを取り押さえようとしたのだが……やはりというか、そこはコムイらしく、すかさずコムリンEXで応対した結果、ボコボコにされたアレンやリーバー達が返り討ちに遭い、鎖によってぐるぐる巻きにされていた
「ユウを離せよぉ…馬鹿コムイぃい!」
そして可愛いリナリーと女性の姿の(コムイは気づいていないが)雲雀には当然そのような事はしないコムイ
ガシャガシャとコムリンEXの肩を揺らし、みんなを離してほしいと猫語で訴えるリナリーと涙目ながらもコムリンを殴る雲雀
「なんで、にゃあ、しか言わないんだい?
しかもどちら様だい?」
「雲雀だよ、このシスコン野郎!」
ニャニャニャーとしか言わないリナリーにコムイの頭の中では以前に作った猫語になる薬の存在が浮かんだ
「キミ達、ボクのリナリーや恭弥くんで一体何のプレイをッ…!」
「誰がテメェのだ!!」
「不可抗力だ!」
「これにはメンドくさい訳が!そんなことより、感染てどういうことですか、室長!」
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