紅の十字架

□Vestige
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ゴキィ!

バキッ!




「あっ、アニキィ────」


夜の街で悲鳴じみた声があがっていた


「何しやがんだ、コラァ」


「邪魔。つうか、鬱陶しい」


「邪魔だったら殴ってもいいのかい、おおっ?」


「さ、先にカラんできたのはその人じゃないか!神田と恭弥に!」


「カラんでねぇ!!
うちのアニキは美しいモノが大好きなんだっ」


「病的なレベルで!」


「この世の美しいモノ、すべてを欲する愛の狩人なんだよ、バカヤロ───」


「(え、なにこれ、まじ引くんだけど、ってかドン引きなんだけど)」


「おい、次の店まであとどれくらいなんだよ」


「《うさぎしゃんのお尻亭》?
えっとね、もうすぐそこだよ」


「無視してんじゃねぇ〜〜〜〜よ」


「まてぃ、おまえら……」


「あっ、アニキ!」


むくりと起き上がった男性に雲雀は顔をひきつらせた


「たまらん……なんて痛い攻撃じゃ。わしゃ、こんな美しく気高い人間をみたことがねぇぜ…」


「ユウ、泣きたい。なにあれ、マゾの範疇越えてんじゃね?」


「……気持ちわりぃ」


「二人とも誘拐して、家にもって帰るぅうぅぅぅ!!」


「いやぁぁあぁぁ!来んな、こっち来んなぁぁぁ!!」


「(ブチッ)」


雲雀は悲鳴をあげながら神田の背後に隠れると神田は怒りが頂点に達して男性達を返り討ちにした



それから数分後……



ダンッ


「〜〜〜〜っ
なんでモヤシを捜す方法が風俗街めぐりなんだよ!!」


「うさぎしゃんのお尻亭にようこそ〜〜Vv」


「この子、知らないかな?」


「きゃーんVv可愛いコ〜〜。う〜〜んVvでも見たことないかなぁ〜〜Vv」


「もう嫌……折れそう。なんで恋人つれてこんなとこ巡らなきゃなんないわけ……」


テーブルに突っ伏している雲雀は深いため息を吐いた
その店をあとにして幾つかの店を転々とするも、結果は同じだった
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