紅の十字架

□Vestige
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「ようベッピンさん、どうだいオレと……バキィ!


「オレと付き合わないかドゴッ!


「23軒目ダメ……っと
まぁアレンの請求書の束はまだまだあるからドンマイ〜〜〜〜」


「まだまだって……?
モヤシのやつ、どんだけ借金あんだ!!」


「アレンっていうより、クロスだろうね……あの飲んだくれ元帥の馬鹿野郎……!!」


「アレンが《14番目》と戦おうとしてるなら、まず相手を知ろうとするはずだ
手掛かりは《14番目》の協力者だった、クロス・マリアン元帥と恭弥
でも恭弥はあれは恭弥の意思じゃなかったし、アレンは恭弥が消えたと思ってるはず。残る手掛かりの元帥は消えてしまった」


「そうなれば借金の請求書だけがあいつの足跡を知る唯一の術ってわけか……
僕もネアについては全然記憶が無いから協力はできないし」


「うん」


「あいつが請求書の店を全部覚えてると……?」


「ってか、その請求書はどうしたの?」


「どの店にいくら借金あるかまで覚えてると思うよ
これは保管庫からチョロまかした」


「元帥が消えたことはエクソシストと上層部しか知らない機密だぜ?」


「…………あ──……………………」


言いにくそうなジョニーを見て雲雀と神田は察した


「「リーバーか」」


「うん……アレンを支えるなら知っといたほうがいいって色々…
あっでも教団には黙ってて!バレたら班長が「うるせぇな、言わねぇよ」


「班長やジジたちも背中押してくれたんだ。絶対アレンのところに行かなきゃね!
行こう神田、恭弥!次は《女豹の楽園 シャングリラ》だ」


「(酒で足腰が…………)」


「……ほんと、君は分からないな」


「あんな厄介な奴のところに行こうなんて、おまえが損するだけだぜ」


「オレは……至極シンプルなことしか考えてないよ…………

──ともだちだから!」


「!」


「(アルマ……)」


二人はジョニーの言葉にアルマの面影を重ねてギュッと唇を噛んだ


「神田や恭弥こそ、どうして教団に……ていうか、オレを手伝ってくれるのさ?
これバレたら…結構ヤバイでしょ?」


「さぁ、どうだろうね」


不思議そうに訊ねながら歩くジョニーの少し後ろを歩く神田に並んで雲雀は空を見上げてフッと微笑む


────ビュン


「うわ?」


ジョニーは熊の着ぐるみをきたものに捕まれる



「(発動!)」


「ななな、なに??あ……AKUMA(アクマ)!?」


ジョニーを食そうとするアクマの元に日本刀が迫り壁へと張り付けた


「ユウ!」


雲雀が手を組むと、それを利用して神田は跳躍する
アクマに接近した神田は突き刺さる六幻を握りアクマから抜いた


「ヒャヒャヒャヒャ
神田ユウと雲雀恭弥だろ、神田ユウと雲雀恭弥だな。戻ってくるなんて愚かな奴らッ!残り少ない、命命命ッ!みみっちく安らかに過ごせばいいものよぉ
教団に勝ち目は無いッ。AKUMAは今もどんどん産まれている
どんどんどんどんどんどんどんどん!

おまえらは地獄を択(えら)んだんだよ、バァァカ!!」


そう言い残してアクマは神田によって破壊された。周りにはガスが立ち込める


「ほんとに……どうしてなの、二人とも…」


「…………」


「あいつをノアに覚醒させたのは俺だ」


「僕は…自分を見失って伯爵に手を貸して、アレン・ウォーカーや他の人を殺しかけてしまった」


「北米支部のこと…?でもっ、あれは伯爵がアルマを使って神田と恭弥に……神田や恭弥だけが悪いんじゃないよ!!」


「僕にとってはさ…教団なんてどうでもよかった。どうなろうと僕には関係ない。況してや、無くなればいいとも思ったよ」


「だからパリでの任務のとき、あいつのノア化の片鱗に気づいてて無視した
コムイにも報告せずに、ほっといた。俺もノアやAKUMAより教団が憎かったから」


「でもね……今は凄く後悔してる。どうして過ちを繰り返しちゃったのか、ってね」


「でも今は、この後悔が安らかに死ぬにはちょっと邪魔なんだよ」


「……行こうか。この煙は体に毒だよ」


神田と雲雀は優しげに笑ってその場から去ろうとする
その後ろでジョニーは
涙を溢す



「(《ごめん》と言いそうになってオレはやめた
《ありがとう》、《ありがとう》)
ありが………
(神田と恭弥はアレンの為に戻ってきてくれたんだ)」




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