紅の十字架

□束の間の休息
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「兄さんはどこ!?」


「どういうつもりなんだろう……コムイ……」


リナリーの後を追いかけるように監視の話をリナリーから聞いた雲雀は歯噛みをしながらコムイを探していた
リーバーは途中で制止の声をかけるが、二人には届かない


「兄さんっ、アレンくんに中央の監視が付くってどういうこと?」


「!!……ぇ、ぁ……っ

な、んで……!何で何で何で何で何で何で何で何で何でッ!!!」


「恭弥くん……ッ、リナリ……ッ」


「おや、こんにちは、リナリー。雲雀も、久しぶりだ」


「気分はどうかね、  」


「!!何でお前がここに……ッッ!!」


「……ルベリエ、長官……」


「当分こちらに留まることになってね
そうだ。キミ達のイノセンスや身体についても検査させてもらいますのでよろしく」



バタンッ!!


「恭弥ッ!!」



「おや、神田ユウ」


「……テメェ……。いや、今は……。恭弥」


「自我や感情なんてもの、  、君には必要ないのだよ」


「……っ、嫌……っ、やめて……僕は、  なんかじゃない…!そう呼ぶな、僕は…僕は《雲雀恭弥》だ!!」


「(!幻聴現象か!)恭弥!」


「違う違うッ!お前らなんか……殺してやる……っ!」


雲雀は足のホルスターに自身の烈火の代わりにしまっていた短刀を逆手に握り締めて、ルベリエへと走り出す


「ちっ……!」


「ルベリエェェェェ!!」



パシッ


「恭弥、ここはお前のいた世界じゃねェ」


雲雀の手を掴んでルベリエにナイフが届くのを止める


「放せ……!放せ放せ!邪魔をするなぁ!!」


「おい」


「どうして、どうして邪魔をするんだよ…ユウ……僕は、死にたくなかった……死なせたくなかった……っ。なんで、なんで僕なんだよ……なんで僕が貴方の……ねぇ……なんでなんで?


どうして僕は

──産まれてきたの?


教えてよ、教えなよ……教えろよ……!!なんであいつを殺したんだよ!!」


激昂する雲雀に神田は絶句した


「────っ、俺は……っ」


「……もう、嫌だ……っ、いっそのこと、殺してほしかった……死ねないなんて、嫌だよ……っ」



カラン……


「死にたい死にたい死にたい!一緒に生きたかったのに……!どうして、あいつだけが死んじゃうんだよ!!
うわぁあぁぁぁあぁぁあああっっ!!!」


短刀を床に落として雲雀は両手で顔を覆い泣き叫んだ
それを見ながら神田は覚束ない足取りで雲雀の近くに寄って、いつも以上に強く抱き締めた



「……っ、悪い……悪い……っ、俺が、苦しめていたんだな……」


「私や中央庁の者に合うと決まってその現象が起こっているね
何か理由でもあるのかな?」


「ルベリエ……テメェには関係ねェよ
こいつをテメェら中央に渡すつもりはねェ」


未だに泣き叫ぶ雲雀を手刀で気絶させて神田は横抱きにしてから部屋の扉を荒々しく閉め、自室に向かう
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