紅の十字架
□束の間の休息
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「うー……体動かしたいー」
ぐるるるるるるる!!
ギュゴガガピゴゴゴゴ!!
ドルルルルル!!
「ちょっとちょっと看護婦さん────っ!!
クロちゃんの腹がうるせェさ──!!ねれねえぇーっっ」
「困ったわねェ、何か食べてもらいたくても、起きないことにはどうにも……」
「私は聴覚がよい分、キツイ……」
「よし、行こう!」
雲雀は点滴を外してベッドから降りるとそれに続くように神田も起き上がりカーディガンを羽織った
「どこ行くんさ?ユウちゃん、きょーちゃん」
「きょーちゃん言うなよ、馬鹿ラビ」
「ちっ、こんな所で寝られるか。自室に戻る」
「コラ!ダメだぞ、神田、恭弥」
「うるせェ」
「動かないと落ち着かないんだよ。ってことで……ぶっ!」
「マーくんの言うことを聞きなさい、ユーくん、きょーくん」
余所見をしながら病室を出ようとした雲雀は扉の前にいたティエドールにぶつかった
「師匠ぉ……痛い……」
「……どいて下さい」
「可愛い息子達のお見舞いに来たんだよ。ベッドに戻りなさい、ユーくん、きょーくん」
「息子じゃねエし、教団に帰った途端その呼び方になるのやめて下さい」
「僕、もう子供じゃないよ」
「弟子は我が子も同然じゃないか。照れないで家にいるときくらいは私に甘えておいで」
「嫌だよ。ってか、照れてないし」
「あきらめろ、二人とも。師匠はこういう人だ」
「おっ、俺は……っっ」
神田の周りでブチブチと音を立てていく
「あんたのそういう所が大っっっ嫌いだー!」
ガッチャコーン!
「ユウ、今のうちに行こう!」
「あぁ。ここにいたら疲れる!」
二人はそそくさと病室から出ていった。病室ではしばらくしてからティエドールがあ、と声を漏らした
「元帥?」
「ルベリエや中央庁の彼らが来ているのを伝えるの忘れてた」
「な……っ!…神田が上手く、してくれるといいのですが……」
「うん。今から集まりだから、会わないとは思うけれど……。きょーくんにとって彼は…トラウマだからね」
ティエドールは眼鏡をあげながら呟くとマリもそれに同意していた