紅の十字架

□奏者の資格を持つ者
4ページ/7ページ

《恭弥の悪魔ー!》


「……この声。つか、誰が悪魔だ、誰が!」


階段を昇っていた二人の耳に届いたのはラビの叫び声だった


《ユウのパッツ……!「(ピキッ)上等じゃねぇか、馬鹿ウサギ」


「そのまま一人で死んじまえ、Jr.!」


扉を開いたと同時にラビに罵声をあびかけた神田と雲雀
神田の肩にはクロウリーが担がれていた


「おおっ、ユウッ!恭弥もいるさ!」


「チッ」


「死ね!一人で寂しく凍えて果てろ!」


「酷ぇ!?やっぱり悪魔さ!」


「あー…スッキリした!」


満足そうに雲雀は体を伸ばしている
ラビは神田に背負われているクロウリーを見つけて駆け寄った


「ユウが担いでんのはクロちゃんか!?クロちゃーん!」


「落ちてたから拾ってきた。ねぇ、これどうなってんの?」


「オレにもサッパリさ〜
コラーッ。出てこいっつの、モヤシ──!」


「白髪、出てきなよ。その髪の毛引っこ抜いてあげるから」


《誰がモヤシか、バカラビ────ッッ
しかもこれは白髪じゃありません!恭弥は何度言えば分かるんですか!》


「うおっ、アレン!?どこっ?」


「「チッ、モヤシの声が空から……」」


《アレンです、バ神田!バカ恭弥!》


「エリ…ア…デ」


「あっ、クロちゃんしゃべった!!」


「うるせェ……」


「でも……いいんじゃない?
戻ってこれたし」


《おい、恭弥。無事か》


突如聞こえてきた声に雲雀は驚きを隠せず目を見開く


「クロ、ス……?」


《話がある。とりあえず馬鹿弟子にゲートを開かせるからこっちに来い》


「……どうせ、嫌だって言っても無駄でしょ」


「恭弥、元帥に会ったことあんの?」


「まぁね……ほら、僕が教団から離れてる2年間があったでしょ?
その間に会ったんだよ。教団に戻るきっかけも彼」


雲雀が簡単に説明をするとラビはへぇ、と返しただけだった
その間にゲートが開かれる



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ