紅の十字架
□奏者の資格を持つ者
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《恭弥の悪魔ー!》
「……この声。つか、誰が悪魔だ、誰が!」
階段を昇っていた二人の耳に届いたのはラビの叫び声だった
《ユウのパッツ……!「(ピキッ)上等じゃねぇか、馬鹿ウサギ」
「そのまま一人で死んじまえ、Jr.!」
扉を開いたと同時にラビに罵声をあびかけた神田と雲雀
神田の肩にはクロウリーが担がれていた
「おおっ、ユウッ!恭弥もいるさ!」
「チッ」
「死ね!一人で寂しく凍えて果てろ!」
「酷ぇ!?やっぱり悪魔さ!」
「あー…スッキリした!」
満足そうに雲雀は体を伸ばしている
ラビは神田に背負われているクロウリーを見つけて駆け寄った
「ユウが担いでんのはクロちゃんか!?クロちゃーん!」
「落ちてたから拾ってきた。ねぇ、これどうなってんの?」
「オレにもサッパリさ〜
コラーッ。出てこいっつの、モヤシ──!」
「白髪、出てきなよ。その髪の毛引っこ抜いてあげるから」
《誰がモヤシか、バカラビ────ッッ
しかもこれは白髪じゃありません!恭弥は何度言えば分かるんですか!》
「うおっ、アレン!?どこっ?」
「「チッ、モヤシの声が空から……」」
《アレンです、バ神田!バカ恭弥!》
「エリ…ア…デ」
「あっ、クロちゃんしゃべった!!」
「うるせェ……」
「でも……いいんじゃない?
戻ってこれたし」
《おい、恭弥。無事か》
突如聞こえてきた声に雲雀は驚きを隠せず目を見開く
「クロ、ス……?」
《話がある。とりあえず馬鹿弟子にゲートを開かせるからこっちに来い》
「……どうせ、嫌だって言っても無駄でしょ」
「恭弥、元帥に会ったことあんの?」
「まぁね……ほら、僕が教団から離れてる2年間があったでしょ?
その間に会ったんだよ。教団に戻るきっかけも彼」
雲雀が簡単に説明をするとラビはへぇ、と返しただけだった
その間にゲートが開かれる
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