――そして坊やは眠りについた……
息衝く灰の中の炎
ひとつふたつと
浮かぶふくらみ
愛しい横顔
大地に垂るる幾千の夢
銀の瞳のゆらぐ夜に生まれおちた輝くおまえ
幾億の年月がいくつ祈りを土へ還しても
「ワタシは 祈り続ける」──……
ザザッ……
《方舟を操れ、アレン!お前の望みを込めて弾けっ!》
「望み…?」
《早くしろっ!》
「望みはっ…転…送を、方舟を……っ」
喉まで出てくるが上手く言葉に出来ずアレンは言い淀む
その時、以前に通信で話していたコムイの言葉がアレンの脳裏を過った
《思いつかないかい?
まずはおかえりと言って肩をたたくんだ
でリナリーを思いっきり抱きしめる!
アレン君にはご飯をたくさん食べさせてあげなきゃね
ラビはその辺で寝ちゃうだろうから、毛布をかけてあげないと
大人組はワインで乾杯したいね
ドンチャン騒いで眠ってしまえたら、最高だね
そして少し遅れて神田くんと恭弥くんが仏頂面だけど、いつものように手を繋いで幸せそうに入ってくるんだ
その言葉にアレンは決意した
彼の望みはただ一つ
「(僕の仲間を返せ──!
消えるな、方舟ぇええ!!」
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