色々置きました

□SSS
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ーただ触れたいだけー






「おい木偶の坊」

「・・・それって俺のことか?」

「お前以外誰が居るんだ?」

「はぁ・・・で、なんだよ?」

「しゃがめ」

「は?」

「いいからしゃがめ」




兵部はそう言うと、アンディに膝かっくんをししゃがませる。




「いって!?
なにすんだよ!」

「ふん、さっさとしないお前が悪い」

「ったく」




渋々アンディがしゃがみ、兵部に見下されるような形を取ると

兵部は黙ってアンディの顔を見る。





「な、なんだよ?」

「いや・・・」





黙っていた兵部はアンディの頭を一度撫でると

満足したような顔をし、ニヤッと笑った。






「こうして見ると犬を躾ける主人の気持ちになるな」

「はぁ!?
お前はそう言いたいだけでやらせたのかよ!」

「・・ああ」

「本当お前って変わってんな」





呆れた顔をするアンディを、遠くから藤浦が呼ぶ声が聞こえそのままアンディは立ち上がり背中を向けた。






「・・・」





ちょっと触っただけで、兵部の胸はざわついた。






「まさかこんな若造にな・・・」

「ん?なんか言ったか兵部?」

「うるさい脳筋」

「ぇ、のわぁあああ!!?」





自重にも似た溜め息と共に吐き出された言葉を忘れるように


兵部は藤浦の元に行こうとしたアンディの足をひっかけ

プールの中へと突き落とした。





―――

――









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