色々置きました

□貴方のために
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「ただいま、ルドガー!
ごめんな、今日は仕事が長引いて・・・」



「いいよ兄さん。」



「ありがとう」







仕事から帰れば、もう寝間着になった弟が

俺の帰りを待っていて


玄関を開ければ直ぐに駆け寄ってきた。







「晩ご飯あっためるね?」



「ああ
はぁ・・・ルドガーが俺の癒しだ」



『ナー!』



「おお!ルルも俺の癒しだよ・・・」







ルドガーの美味しい料理を食べているせいか

愛猫のルルは、お腹辺りがふっくらしている



痩せさせたいが・・・ま、仕方ないか







「はは、ルル〜お前はまた重くなったな」



『ふなーっ!』



「ごめんごめん
そのままのお前でも可愛いよ」








喉辺りを撫でれば、機嫌も戻ってくれた



ルルでじゃれ合っていると

後ろから、ルドガーが声をかけてきた







「兄さん・・・」



「ん?
もう出来たのか」



「いや、その・・・」



「どうした?」







眉を下げ、チラチラ俺を伺うように見てくるルドガー



・・・実の弟なのに

こんなに可愛くなるなんて



兄としては複雑だ。








「兄さん、俺のこと・・・嫌い?」



「そんな訳あるか!!!
トリグラフ一・・・いや、全人類一愛してる」



「に、兄さん・・・大袈裟だよ」



「大袈裟なものか
ルドガーは俺の一番大切で、唯一無二の存在だ」



「〜〜〜」







ルルを床に置き


ルドガーを抱きしめる




なにを不安にしているのかは分からないが

俺の大切な存在に代わりはない





・・・例え、別世界に同じ存在が居ても


此処に居るルドガーは一人しかいないのだから








「どうした?
誰かになにか言われたか?」



「・・・兄さんの同僚さんが来て」



「ん?」



「言われた」







どう言うことだ?



泣きそうな顔をするルドガーに

もう一度、ちゃんと聞いてみると



俺にとっては憤怒するには充分な話しだった・・・――



―――







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