アクエリオンEVOL2
□モグラの初恋
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外出から帰るため
ネオ・クーロンの細い路地裏を通り、最短距離で帰ろうと
俺とアマタは抜け道を通っていた
「にしても、懐かしいな・・・」
この路地裏には、かなり思い出があり
今でも、たまに通ったりしている・・・
思い出って言うのも
俺がまだこの聖天使学園に入ったばかりの
初等部にいた頃の話しで
当時の俺はまだ、自分の能力のことが分からず
周りの奴らとも距離を置いて
いつも一人で行動をしていた
最初のユノハのような状態の時もあったのを今でも覚えてる・・・
誰かと仲良くしたいのに
自分はどうしたらいいのか分からず
ただひたすらに地面を掘って
気を紛らわすのが精一杯だった・・・
それに、自分をこの学園に放り込んだ両親に
幼い俺は捨てられたのだと思い込んで
なにもしてないのに地面が沈んで行く
だけど実際は
『男なら強くなれ!』 by:お袋
『能力を使いこなして、俺の背中を超えてみろ!!!』 by:親父
だったわけで
とんだ思い違いだった・・・
まぁ、それを知らなかった幼い俺は
とうとう、学園から外に出る抜け道を掘り当ててしまったのだ・・・
きっと、ここから出たら
俺は元の生活に戻れて
仲の良かった友人たちとも遊べる!
両親だって、置いてかない!
・・・そんなことを思いながら
黙って一人、自分の掘り当てた道を進み
ネオ・クーロンの夜の街に飛び出した
――これが、俺の忘れられない出来事に繋がって行く
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