アクエリオンEVOL2

□月夜の晩
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―アンディ編―






その日は、たまたま反省室で放課後を寝過ごして
ドナール教官に叩き起こされた後


俺はそのまま、部屋に戻った




普段と変わらず、風呂に入って


そんで同室の・・・弟分のアマタと、今日はなんの話しで盛り上がろうか



そんなことを考えながら

俺がアマタの個室に行くと


プライバシー保護用のシャッターがされ




アマタに何度か声をかけると


辛そうな声を出しながら

今は寝たいから、と一言言って黙ってしまった






今日は本当についてねぇな〜・・・






周りの奴らも、今日はほとんど訓練で疲れたからと寝静まり


一人なにもすることなく、穴でも掘ろうかと思ったが




反省室にいたのもそのせいで






気が付けば、数時間が経っていた。



目が冴えていたせいか

近くの、誰かの足音が聞こえ




他の奴らを起こさないよう


そいつが出てから、俺も外に出ることにした・・・






最初は暗くて誰なのか、はっきりしなかったが

今日が満月のおかげで



月の光でそいつが誰なのか見え


嬉しくて、近づいて声をかけることにした







「アマタ、体調よくなったのかよ!」



「っ?!!
ア、・・・ンディっ!」







そこには弟分のアマタが


大量の汗をかき、俺の方を絶望したような顔で見て来た



その汗もそうだが





俺は、アマタの顔を見て驚いた






「アマタ・・・お前、目が金色になってんぞ?
それに、・・・牙?」







普段、柔らかなピンクスピネルのような色をした瞳の色は

金色に輝き、普段の色とは違い


口なんて



まるで・・・



そう、まるで






「吸血鬼・・・?」







昔みた本の中で登場する

人の生き血を吸って生きている



そして、男は女の血を欲し

女は男の血を欲する・・・夜中に獰猛と化すあの・・・吸血鬼のような



とがった牙が、小さくはえていた







「、なんで、アンディ・・がっ」


「俺、眠れなくってさ・・・
アマタ、大丈夫かよ?!」


「――っ、近づいちゃ、ダメだっ」


「え・・・」


「いいからっ!!
今の、俺は・・・我慢、できないから!」







そう言うと、自身の腕を思いっきり噛み付き

唸りを上げた







「バカっ!!!
なにしてんだよっ」


「は、ぁあ
近寄らないで、アンディっ・・・
俺、おかしいんだ・・・満月の夜は、特に」


「だからって・・・
・・本当に、お前は吸血鬼なのか?」


「た、ぶんっ
アンディの血が、欲しくて欲しくて堪らない、んだっ
だから―――」





心配で近くに寄った俺の肩を、アマタは掴むと


高揚した顔のアマタは

ゆっくりと、俺の首筋に口を近づけ舐めた






「ねぇ、ちょぉだい・・・アンディ?
は、ぁ・・・辛くて仕方ないんだ・・・」


「〜〜〜っ」






抵抗するのも忘れ


そのまま、アマタに俺は血を委ね





貧血で倒れるまで飲まれた









―月夜の晩―








その後、なにもなかったようにしてくるアマタに


血を吸われた時のことを聞いた瞬間



顔を真っ青にし部屋に呼ばれ




俺たちは、秘密を共有する仲となった








――――

―ー






どうしてこうなった?!!


自分でもなぜこうなったのか分からないんです・・・orz




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