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□愛してる。
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気が付くと車内は無言状態だった。しまったと思い、何か話そうと口を開いた。
「おっ…」
『にの…』
二人同時に話始めてしまった。
「あ、ごめん。」
『いや、俺こそ。』
それより、大野さんが、なんて言いたかったのか気になって仕方なかった。
「なぁに?大野さん、」
『え?あ、うーんと…。』
なんだか焦ってるようだった。
「なんだよ、いいよ。いってごらん?」
困ってる大野さんがかわいくてかわいくて、しょうがなかった。
『え、うーん、あのね。良かったら、う…。』
「え?良かったら?」
『その、う、う…。うち、寄らない?』
あぁ、かわいい。そんな顔で言われたら、行きたくなっちゃうだろうよ…。
「え?マジで?」
『いや!嫌だったらいいよ。』
「嫌なわけないじゃん。」
“え?”とした顔で大野さんは僕を見た。
言ってから気づいた。なんだかとんでもないことを発言してしまったことに。
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