CP

□ヒーロー
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今夜は兄が仕事の都合で家に帰れるかどうかわからないというので将は一人夕食を終えると風呂へ入り早めに床につこうとした……のだが。

不意に異変を感じ背後を振り向く、しかしそこには何の変哲のない壁があるだけだ。気のせいかと視線を戻したところで、いた。目の前の壁をカサカサと這うように動く黒い物体、無意識に体が強ばる。「うわあああああ!」気付いたときには叫んでいた。こちらの叫び声に驚いた相手も動く速度を上げる。どうすればいいのか半ばパニック状態に陥り、頭の中は真っ白になりながら自然とポケットから取り出した携帯を操作し、通話履歴に表情された名前を押していた。

「……将?どうしたのお前、こんな時間に。めずらしいじゃん」

「つ、翼さぁん…!出たんですよ全身黒光りのあれが!!」

「は?全身、黒光り…?ちょ、将!お前もうちょっと落ち着いて詳し…「うわああああ!きたぁぁぁ!」

「将?…将ー!」





――――
…みたいなことがあったとかなかったとか。
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