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□ピンクベストは必須
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「風祭、」

次の言葉が、出てこない。

「水野君!」

君が俺の名前を呼ぶ。

「なんだ?」

「一人?一緒に帰ろうよ」

ニコニコ笑って、俺の隣を歩く君。

陽が暮れかけた道を、二人で歩いた。
君は今日あったことを、休みなく語りかけてくる。
俺はその話に耳を傾けながら、タイミングを探した。


今日こそ、君に伝えたいことがあるんだ。


「…で、だったの」

話が一段落ついたところで、大きく息を吸った。
覚悟を決める。


「風祭!」

「な、何?」

突然大きな声を出した俺に、君はキョトンとした顔をして。

俺は必死で頭に叩き込んだ雑誌の内容を思い出す

【ポイント1】笑顔

【ポイント2】魅惑の低音ボイス

そして―――――



『水野の腕枕(ココ)、空いてますよ』

【ポイント3】自信たっぷりの鳩胸


勇気を出して一歩踏み出せば

きっと

世界は変わるだろう


君は今まで見たこともないような顔で


「水野くん、病院へ行こう?!」



そんな事を、言った。


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