CP
□ピンクベストは必須
1ページ/1ページ
「風祭、」
次の言葉が、出てこない。
「水野君!」
君が俺の名前を呼ぶ。
「なんだ?」
「一人?一緒に帰ろうよ」
ニコニコ笑って、俺の隣を歩く君。
陽が暮れかけた道を、二人で歩いた。
君は今日あったことを、休みなく語りかけてくる。
俺はその話に耳を傾けながら、タイミングを探した。
今日こそ、君に伝えたいことがあるんだ。
「…で、だったの」
話が一段落ついたところで、大きく息を吸った。
覚悟を決める。
「風祭!」
「な、何?」
突然大きな声を出した俺に、君はキョトンとした顔をして。
俺は必死で頭に叩き込んだ雑誌の内容を思い出す
【ポイント1】笑顔
【ポイント2】魅惑の低音ボイス
そして―――――
『水野の腕枕(ココ)、空いてますよ』
【ポイント3】自信たっぷりの鳩胸
勇気を出して一歩踏み出せば
きっと
世界は変わるだろう
君は今まで見たこともないような顔で
「水野くん、病院へ行こう?!」
そんな事を、言った。
.