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□小?悪魔キャプテン
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みんなが帰った後のミーティングルーム。
少し仕事を残していたので戻ってきてみると、ぼんやりとした表情を浮かべた風祭がソファーに座っていた。
最近いろいろあったので悩んでいたのだろう。
声を掛けて話を聞いてやると、泣き出してしまった。
思わず腕が伸びて、抱き締めてしまった。
少し間を置いて風祭も背中に腕を回してきた。

腕の中で泣いていた風祭だったがしばらく経って落ち着いたらしく背中に回していた腕を解いた。
弱っているところを見られたのが恥ずかしかったのか、風祭は顔を赤くして感謝を述べた。

「礼ならいらないぞ。参ってる選手を励ますのもキャプテンの役目だからな」
さらりと髪を撫でると恥ずかしそうに俯いて、でも・・・と漏らす。

「どうしてもというなら受け取ってやってもいいが・・・」
「・・・?」
「お前の口から欲しいな」

え?と不思議そうにしている風祭の唇を親指でなぞる。
瞬間、風祭の顔が真っ赤に染まった。愛らしい。
キスしやすいように少し屈んで頬を差し出す。

「最初だからここでいい」

少し笑って言ってやると、からかわないで下さいとそっぽを向いてしまった。

「風祭は可愛いな」

くるくると変わる表情に目を細める。
立ち上がって冗談だと言ってやると、安堵したようなため息が漏れた。
「キャプテンって優しいんですね」

元気付けようとしてくれたんですよね?と付け加えられる。

「俺が優しそうに見えるか?」
「優しくて頼りがいのあるキャプテンです」

まったく、風祭は純粋なやつだ。
俺が何を考えているかなんて、これっぽっちも気付いていない。
今だって、本気でキスさせようと思っていたところなのに。

「信用されているんだな」

くすりと笑みをこぼすと風祭は当然ですと力強く答えた。

「いつもさり気なく周りに気を配っている、そんなキャプテンを尊敬しています」

本当に尊敬してくれているのだろう。
大きな瞳がまっすぐこちらを見る。
「好き、だからだ」

そう小さく言って少し、俯いた。
先ほどよりも動揺した声が聞こえる。

「好きだから、こんなにも気になる」

顔を上げて顔を見て言ってやる。
風祭の顔が真っ赤になるのは今日これで何度目だろう。

「で、でもさっき選手を励ますのもキャプテンの役目って・・・!」
うろたえる風祭の顎を捕まえる。

「いや、下心だ」

微笑んで風祭の腰に腕を回した。
風祭はおどおどと見上げてくる。

「いいだろう?」

そう言って顔を近付ける。
風祭は少し震えて、瞳を閉じた。
それを了承の合図とみなして、その唇にキスをした。







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