バカと僕とFクラス
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『雄二―入るよー』
勝手にドアを開けて中へ入る。
そういえば最近はノックしないようになったなぁ…。
一応声はかけてるからノックはいいかなーなんて。
別に疾しいことがあるわけでもなさそうだし。
いつもなら雄二が何か言ってくるところだけど、今日は違った。
『雄二?』
返事がない。
え、何で?
机に突っ伏している雄二の顔を覗きこんでみると、すーすーと寝息を立てていた。
あ、可愛い。
ちょっと笑いながら携帯を取り出し寝顔を撮った。
待ち受けにしとこう。
もう雄二と一緒に暮らすのも今日で最後なんだなぁ…。
さてと…雄二寝てるし、部屋に戻るか。
っとその前に、毛布毛布。雄二が風邪引かないようにね。
『あ…あった』
置いてあった毛布を拾い、雄二の肩にかける。
『おやすみ』
微笑して部屋へと帰ろうとする…と
坂「ん…」
雄二が僕の服の袖を掴んで離さない。
何ですか、この可愛い生き物。
しょうがないなぁ…。
フッと微笑して雄二の頭を撫でる。
『今日くらいは雄二の傍に居てあげる』
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