バカと僕とFクラス
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1時間後、荷造りが終わった。
そして、雄二の机に手紙を置く。
色「こんにちはー」
「あ、色葉ちゃん。いらっしゃい、音葉ちゃんのお迎え?」
色「えぇ」
『姉さん、準備は出来てるよ』
色「そう。じゃあ行きましょうか」
たくさんの段ボール箱は業者に運ばれ、僕の乗る飛行機と一緒にイタリアへ行くらしい。
僕の手荷物はバッグ1つ。
中身は携帯と小説と飴とゲームと音楽プレイヤーと財布。
色「妹が今までお世話になりました」
『お世話になりました』
「いいのよ、私達も楽しかったし、雄二も楽しそうだったもの。また会える日を楽しみにしてるわ」
ニコニコと笑う雄二のお母さん。
その顔を見ると、少し目が潤んだ。
寂しい…。
そんな感情が心の中に浮かぶ。
『僕も、また会えるの楽しみにしてます』
微笑して家を出た。
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