バカと僕とFクラス

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学校には行かないから、とりあえず引っ越す準備をしなきゃね。

段ボールに着替えや雑貨、教科書なんかも入れる。

坂「何してるんだ?」

『うわっ!?ゆ、雄二!?』

坂「で、何してんだよ」

『いらないものの片づけだよ』

坂「今日は学校だぜ?準備しねえのか?」

『今日は用事があるんだ。昨日姉さんが来てたでしょ?』

坂「あぁ、そうだったな。んじゃ、明久たちに聞かれたらそう言っとく」

『ありがと、ごめん』

苦笑して雄二を部屋から追い出す。

すると、ピーンポーンとインターホンが鳴った。

「雄二―っ、翔子ちゃんが来てるわよ」

坂「分かった、ちょっと待っててくれって言っといてくれー」

『僕が言っておくよ。翔子に頼みたいこともあるし』

手紙の入った袋を持って、玄関へ行く。

霧「…おはよう、音葉」

『おはよう、翔子』

霧「…音葉、準備は?」

『僕、今日は学校行かないから。それでさ、翔子にお願いがあるんだ』

霧「お願い?」

『この袋に入った手紙、渡してくれないかな?』

霧「…分かった」

『ありがとう。あ、これ、翔子へ』

1通の手紙を翔子に渡す。

霧「…ありがとう」

『それとこれ。手紙渡す人のリスト』

1枚の紙も手渡す。

『…お願いね』

霧「…うん」

坂「待たせたな」

霧「…大丈夫、待ってない」

坂「んじゃ、行くか」

霧「…うん」

『いってらっしゃい、2人とも』

霧「いってきます」

坂「おう」

『そこはちゃんといってきますって言うとこでしょ』

笑いながら雄二の背中をポンと押して送り出す。

『いってらっしゃーい』

手を大きく振って見送る。

雄二たちが見えなくなったところで自室へ戻り、荷造りを始める。



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