バカと僕とFクラス
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朝、目が覚めたのはいつもの時間。
居間へ行くと雄二のお母さんが朝ご飯の用意をしていた。
『おはようございまーす』
「あら音葉ちゃん、おはよう」
『僕も何か手伝いましょうか?』
「じゃぁお願いしようかしら♪」
『はーい。あ、そうそう。雄二には僕が引っ越すこと、内緒にしておいてくれませんか?』
「内緒に?…えぇ、いいわよ」
ニコニコと笑う雄二のお母さん。包丁をまな板の上に置いて、僕に小指を出してくる。
「指切りげんまんしましょう」
『指切りげんまん?』
「えぇ。嘘ついたら針千本飲ますっていうあれ」
『あ、はい』
僕も小指を出して、2人の小指を絡める。
『「ゆーびきーりげーんまん、うーそつーいたらはーりせんぼんのーますっ!指きった」』
なんか子供みたい。でも、こういうのもアリかな。
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