バカと僕とFクラス

□28
3ページ/8ページ

朝、目が覚めたのはいつもの時間。

居間へ行くと雄二のお母さんが朝ご飯の用意をしていた。

『おはようございまーす』

「あら音葉ちゃん、おはよう」

『僕も何か手伝いましょうか?』

「じゃぁお願いしようかしら♪」

『はーい。あ、そうそう。雄二には僕が引っ越すこと、内緒にしておいてくれませんか?』

「内緒に?…えぇ、いいわよ」

ニコニコと笑う雄二のお母さん。包丁をまな板の上に置いて、僕に小指を出してくる。

「指切りげんまんしましょう」

『指切りげんまん?』

「えぇ。嘘ついたら針千本飲ますっていうあれ」

『あ、はい』

僕も小指を出して、2人の小指を絡める。

『「ゆーびきーりげーんまん、うーそつーいたらはーりせんぼんのーますっ!指きった」』

なんか子供みたい。でも、こういうのもアリかな。



次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ