バカと僕とFクラス

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ピーンポーン

「はーい?」

『あっ、良かった。いてくれて』

吉「……音葉?」

『うん』

吉「どうしたの?」

『いやぁー…暇だったからちょっと寄ってみたんだけど…。邪魔…かな?』

吉「あ、大丈夫だよ。入って入って」

『お邪魔しまーす』

そう、今日は明久の家に来ている

『誰かいる?』

吉「あぁ、雄二雄二」

『なんだ、雄二か』

明久の後をついて行く

坂「なんだ、明久。客か?」

『お邪魔してまーす』

坂「なんだ音葉か」

『なんだってなんだよ』

坂「別に何でもいいだろ」

吉「今日の音葉はいつもと雰囲気が違うね」

『あぁー…今日は髪下してるしね』

吉「珍しく女の子っぽいよ!」

『ありがとう、明久』

僕はニコニコと微笑みながら雄二に関節技を決めていた

坂「おいっ!!音葉!!!!離せ!!!痛え!!」

『はいはい』

パッと手を離す

坂「っ…。明久、シャワー借りるぞ」

吉「うん」

明久が頷くと雄二はまっすぐ風呂場に向かった

吉「あっ、そうだ雄二ー」

坂「おー?ぎゃあああ」

吉「今ガス止められてるから水しかでない」

坂「先に言えやこら!!」

吉「ごめんごめん、まず心臓から離れた足にかけてからじょじょに心臓へと…」

坂「誰が冷水シャワーの浴び方を言えといった!!!」

吉「何熱くなってるのさぁ…」

『つーか冷水シャワーって…よく生きてるよなぁ…』

吉「そうだ!冷たいシャワーを浴びて冷静に…」

坂「浴びたから熱くなってるんだボケ!!!」

『雄二…』

坂「何だ?」

『明久が不憫すぎて泣けてきた…』

坂「どうせならお前、一緒に住んでやれよ」

吉「えっ!?」

『あっ、それいいね!』

吉「でも音葉…家は?家族は?」

坂「こいつは1人暮らしだ」

『そっ、僕は1人暮らしだよ。ここ数年誰も帰ってこないしー…』

坂「たまに俺の家に乗り込んできたよな」

『あれはだってー…お義母さんがー…』

坂「お義母さんって呼ぶな!!!!」

『冗談冗談。んで、雄二、そんないっぱい買って、何食べるの?』

雄二の横に立ち、コンビニの袋から食べ物を取り出す

坂「コーラとコーヒーとラーメンと冷やし中華」

吉「貴様!僕に割り箸しか食べさせない気だな!!」

『明久ー割り箸は食べ物じゃないよー』

吉「無機物のレジ袋よりは食べ物に近いよ」

坂「割り箸はやらん。俺が素手でラーメン食うはめになる。ちゃんとお前の分も買ってある。ダイエットコーラ、蒟蒻ゼリー、ところてん」

吉「全部カロリー0じゃないか!!」

坂「メタボにならないよう俺の気遣いだ」

吉「僕の生活のどこにそんな心配があるんだよ!!」

坂「糖分と脂肪ばっかとってるんだろ」

吉「それしかとってないんだよ!!もう怒った!!!」

坂「何だ!やる気か!!」

吉「あぁ、いずれは決着をつけなければと思ってたところだよ」

坂「いいだろう。望むところだ」

2人とも片手にコーラを持ち睨み合いをする

そして一気に振り相手に向かって振りかける

『うぇ…甘くない…』

巻き添えくらった僕もビチョビチョ

坂「やるじゃねぇかぁ…」

吉「雄二こそぉ…」

坂「だがここからは本気だ!」

吉「手加減はしないぞ!!」

今度はラーメンを片手に取っ組み合いを始めて…

2人はコーラで濡れてるのにそれに加えてラーメンも被ってしまいかなりかわいそうなことに…

吉「あーぁ…ベトベトだよ。シャワー浴びなきゃ。…って、音葉もベトベトだね…。先入っていいよ」

『雄二、先入っていいよ』

坂「ここのシャワーは浴びたくねえ!!」

吉「じゃぁどうすんだよ?」

坂「ちゃんと温水の出るところに行く!」

『明久、服上下1着貸して』

吉「あぁ、うん」

で、明久の服を借りて雄二の後を追った



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