ナギ

□silent kiss
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海底神殿、ナギ編その後のお話です。

ネタばれしてますので、ご注意下さい!



******



ナギ
「そういう反応するな…我慢できなくなる」

ナギはそう言うと、○○○の唇に唇を重ねる。

激しく…、強く…

ナギに強く抱きしめられた。

ナギ
「…あったけぇな」

○○○
「ナギ…」

ナギ
「あったけぇ…」

ナギの肩口に顔を埋め、する、と頬を寄せる。

くすぐったそうにナギは身を竦めた。

○○○
「…!」

ふ、と耳元にナギの唇が触れる。

それは食むようにして、首筋から肩口へ。

○○○
「…っあ」

思わず声が漏れると、ナギはふ、と顔を上げた。



その、顔が。



愛しむような、切ないような


…泣きそうなような。




ナギは不意に顔を逸らすと、ベッドから置きあがり部屋のランプに触れる。

ふわ、と明かりが消えた。

ぎし、と再びベッドが軋んで揺れた。


○○○
「きゃ!」

ぐい、と強い力に引かれたと思うと。

○○○
(あ…)

ナギにまた、抱きしめられていた。

暗闇のせいか、裸の胸が触れるのがいつもよりはっきりと感じられるようで。

○○○
(な、んかドキドキする…。でも、温かい…)

ナギの匂いがして、○○○はほ、と息を吐いた。

ナギはというと、○○○の肩を撫でたり、その手を○○○の背を滑らすように動かしたり。

絡められた足が、少し気恥ずかしい。

○○○
「…ね、ナギ」

ナギ
「ん…?」

○○○
「ナギが無事で、良かった…」

ぴたり、とナギの手が止まった。

○○○
「…ナギ?…きゃ!」

ぎゅ、と肩を強く抱きしめられる。



ナギ
「…それは、俺の台詞だ」



掠れた小さい、小さい声で耳に届いた言葉。

○○○
「ナギ…」

顔を動かすと、ナギの唇が額に触れた。



○○○
「…」

○○○は何となく、ソリアの事を思い出していた。

生きている彼女に会えたとはいえ、もし出会っていなければ。

ナギはきっと、ずっとそれを心の中に重く抱えたままだったんじゃないかと思う。


ぶっきらぼうだけど、決して冷たい訳じゃない。

むしろ優しすぎるくらいだと思う。


だって今も。ほら。


ナギ
「…○○○」

あまりにも甘く名を呼ばれて、ナギの頬に手を伸ばす。

ナギはその手を、そっと握った。




小さい手を握りながら、ナギは思う。

この温かさを守れて良かった、と。

頭を過ぎるのは、まだ船に乗る前だったあの頃のこと。


裏切られた事よりも、失った事の方が辛かった。


守れなかった非力な自分を、いくら恨んだことだろう。


○○○
「ナギ…」

愛しげに名を呼んで、頬を摺り寄せてくる、この愛しい存在。


○○○を、守れて良かった。


○○○
「ね、ナギ」

ナギ
「ん…?」

○○○
「泣いてる?」

今度は少しおどけたような声で、そんな事を聞いてくる。

○○○が囁くように話すので、触れている頬がくすぐったい。

ナギ
「…泣いてねぇよ」

○○○
「ん…。でも、なんか濡れてる…」

ナギ
「髪、だろ。乾いてなかったから」

○○○
「ホント?」

ナギ
「…泣くかよ」

○○○
「そっか…」

ナギ
「なんだ。不満そうだな」

○○○
「!ううん。そう言うわけじゃ…」

ナギ
「…嘘だ。泣いた」

○○○
「…もう!」

ナギ
「…ははっ」

ナギの手が、○○○の腰に回る。

どちらともなく、足をもぞりと絡めなおした。

○○○
「ね、どっち?」

ナギ
「…」

○○○
「!、んっ、ふぁ…」

突然唇を塞がれ、○○○は少し慌ててしまった。

○○○
「あ…、は」

ナギ
「ん…」

でもそれはすぐに、柔らかい愛しさに変わり。

○○○
(ナギのキス、好き…)

ふ、とナギは唇を離す。

ナギ
「…どうでも、いいだろ」

○○○
「…ふふっ、そうだね」

なんだかナギは気付いていたみたいだ。

泣いた、とか泣いていない、とか。

そんなものはどうでも良くて。



ただ、愛してると。



それを感じたくて。



○○○
「ナギ、愛してる…」

ナギ
「…ああ」



もう一度その唇に、ナギの唇が触れた。




end.

******



キスがその答え

でした!

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