Tesoro
□14.
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「ナギさーんっ!!」
一人の少女が、そう声を上げていた。
ソリア
「…!」
視界に見慣れた天井が映る。
ソリア
(夢…)
少女の声が聞こえたような気がするのは、気のせいだろうか。
ソリア
(!、今、何時)
ソリアが体を起こすと。
ドニ
「ん…」
ソリア
「…!」
ベッドの脇に置いて合った椅子に、ドニが腕を組むようにして座りながら寝ていた。
ソリア
「あ…」
昨日、酒場にシンが来た。
その後の記憶は正直曖昧だが、マスターが帰るように言ってくれた気がする。
ソリア
(ドニ…)
寝不足でふらふらしているソリアに、ドニはついて来たのだった。
ソリアはそっと、ドニを起こさないように部屋を出た。
日はもう高い。
ひょっとしたら、処刑はもう始まっているかも…
ソリアは身震いをひとつして、広場へと駆け出した。
パタン、とドアが閉まる音を聞き。
ドニはひとつ大きく伸びをした。
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