企画
□The Dolls' Festival
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○○○
「コンテスト?」
○○○の驚きを気にする様子もなく、その男は続けた。
港の男
「ああ、あんたらもその為に来たのかと思ったよ」
船の名前を名簿に記しながら、男は言った。
もちろん、偽名。
シリウス号は補給のため、とある島に立ち寄っていた。
ソウシは入港料を男に渡しながら続けた。
ソウシ
「それで、そのコンテストとはいったい…?」
港の男
「ああ。この時期、年に一度の大きな祭りをやるんだよ」
男は金を数えると、確かに、と笑う。
港の男
「いつもはベストカップル、みたいな感じなんだが…今回の参加は女のみ!」
男は書類と一緒に、ソウシにチラシを渡した。
港の男
「王子さまの花嫁探しも兼ねてるんだと!」
その書類に書かれていた街の名前は、ガーリィ。
渡されたチラシの方には、『The Dolls’festival』と書かれていた。
港の男
「賞品がこれまたすげぇもんが出てさ!」
○○○
「凄いもの?」
港の男
「ああ!『星の涙』だ」
ソウシ
「!!」
○○○
「?」
ソウシ
「あのブラックオパール、ですか?」
港の男
「おお!あんた良く知ってるね!!」
男は嬉しそうにガハハと笑った。
港の男
「博物館に展示してあるから、見に行くと良いよ!」
ソウシ
「…どうも」
ソウシはにっこりと笑うと、その場をそそくさと後にした。
慌てて○○○もそれに続いた。
ソウシ
「…船長に知られてなければ良いけど」
○○○
「?どうしてですか?」
ソウシ
「○○○ちゃん、王子さまの花嫁になりたい?」
○○○はブンブンと首を横に振った。
ソウシ
「…ああ、でももう手遅れかな」
少し離れた場所にいた皆と合流する。
リュウガはすでに、チラシを手にしていた。
リュウガ
「こりゃ、豪気な話しだなぁ」
シン
「…どうしますか?」
リュウガは何故か勝ち誇ったような顔をして、口を開いた。
リュウガ
「面白そうなもんには、乗っとかねぇとな!」
○○○
「え?!」
リュウガ
「シンとソウシで宝石が本物か見て来い。○○○はトワと洋服屋めぐり。ナギとハヤテで食料や備品の補充だ!」
○○○
「あ、あの!でもこれ花嫁選びですよねっ?」
シン
「何だお前。優勝する気でいるのか」
○○○
「い、いえ!ちが…」
リュウガ
「はっはっは!こういう機会はそうそう無い。思う存分着飾れ!」
リュウガは○○○の頭をわしわしと撫でた。
○○○
「う…」
リュウガ
「トワ、こいつが一番良く見える服を見繕って来い!」
トワ
「は、はいっ!頑張ります!!」
ハヤテ
「危なくなったら助けてやっから!頑張れよ、○○○」
ソウシ
「まったく…。大丈夫だよ、可愛くして貰っておいで」
シン
「優勝しなかったら、サメの餌だぞ」
ナギ
「ま、気楽にやれ」
リュウガ
「じゃあ、日暮れに酒場に集合だ!」
○○○
「え、えええ〜っ!!!」
リュウガはこれまた豪快に笑った。
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