トワ
□Scherzando
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○○○
「ひとつ…?」
トワ
「うん…」
○○○の唇に、トワの柔らかい唇が触れる。
○○○
「んっ!」
そのままトワはゆっくり体を起こすと、○○○の両手をベッドに押し付けた。
トワ
「僕っ、こういうことするの初めてで…。上手く出来ないかもしれないけど」
熱を孕んだ眼差しを、トワはそのまま真直ぐに○○○に向ける。
トワ
「でも…。○○○さんが、欲しい」
○○○
「ト…」
トワ
「○○○さんを、僕のものにしたい」
○○○
「トワくん…」
しばらくした沈黙の後、○○○は小さく頷いた。
トワは少しホッとしたように笑う。
○○○
「わ、たしも初めて、だから…」
トワは思わず○○○に口付けた。
○○○
「ん!、ふ」
トワ
「ふ…」
時折歯が当たったりするぎこちないそれは、それでもトワの気持ちを十分に伝えてきて。
そっとトワの手が、○○○の服のボタンに触れる。
ゆっくりと外してゆく。
○○○の顔にその手を添えたりして、その様子を伺いながら。
トワ
「○○○さん…」
ふんわりと掛けられた羽根布団の中で、お互いが何も纏わずに抱きしめあう。
トワ
「柔らかい…。壊れちゃいそう…」
独り言の様に言われ、○○○は真っ赤になった。
○○○
(トワくん…やっぱり、男の人、なんだ…)
荷物を軽々と持ったりするその腕は、思ったより着痩せするようだ。
○○○はそっと、その二の腕を撫でる。
トワもまねするように、○○○の背を撫でた。
○○○
「ん、くすぐったい…」
トワ
「…えい!」
○○○
「きゃ!」
わき腹をくすぐられ、○○○が身を捩る。
○○○が同じように返すと、トワも笑いながら、逃げながら反撃を。
○○○
「…あ、はは!もう、ストップ!」
トワ
「あはは、はぁ、はぁ…」
お互いが向かい合うようにして、笑う。
トワ
「…○○○、さん」
そ、っとトワの手が、○○○の胸に触れる。
○○○
「!」
○○○は思わずぎゅ、と目を瞑った。
トワの大きな手が、胸をそっと包む。
○○○
「ん…」
○○○が背をベッドにつけると、天井が視界に入る。
鎖骨の辺りがくすぐったい。
見ると、そこにはトワの髪の毛が当たっていた。
○○○
(わ…)
トワの唇が、○○○の胸の先端を含む。
○○○
「んっ」
○○○が思わず顔を背けるようにすると、トワは○○○の手を取り、指を絡めた。
それはまるで、怖くないよ、と言われている様で。
○○○
(なんか、体、熱い…?)
トワは唇を離すと、○○○の首筋にキスを落とす。
そのまま耳元、頬とキスを落とし、○○○を見つめた。
トワ
「怖かったら、言ってね」
トワの声が、少し震えているような気がするのは気のせいだろうか。
トワも、怖いのかもしれないと思った。
○○○が頷くと、トワは笑って○○○の額にキスをして、顔を下げていった。
トワ
(う、わ…)
胸元を慰めながら、片手は繋いだまま。
トワはもう片方の手を、○○○の下肢へとやる。
○○○の体が、ひくん、と揺れた。
そこは僅かに濡れていて。
ゆっくりと撫で上げるようにすると、○○○は体を揺らし、また顔を背ける。
トワ
(真っ赤…。可愛い)
絡めていた手にキスをすると、赤い顔をした○○○がこちらをむいて少し笑う。
それに笑い返すと、トワは布団に潜るようにして○○○の足の付け根に顔を埋めた。
トワ
(えっと、確か…)
聞きかじりの知識を総動員させて、○○○を愛していく。
自分の舌でそこを濡らし、ゆっくりと、指を中へと推し進める。
○○○の体がビク、と揺れた。
○○○
「あ…な、に…?」
トワ
「○○○さん、痛く、ない?」
○○○
「う、ん…?」
トワは体を起こすと、○○○の頬にキスをした。
ふわりと、布団が足元に落ちる。
トワ
「○○○さん…」
絡めていた○○○の手を、トワの背に回すように促す。
自然と、○○○はトワの首筋に抱きつくようになった。
トワは○○○の肩口に、顔を埋め。
は、は、と途切れる吐息を感じながら、トワはゆっくりと、○○○を解きほぐしていった。
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