ハヤテ
□倉庫の肉、食ったのがばれた
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ナギ
「ちったぁ頭で考えろ!!!」
バタン
ナギの怒号と共に、部屋のドアが閉められる。
ハヤテ
「ちょ、ナギ兄!」
ハヤテは慌ててドアを開け、ナギを追いかけた。
ハヤテ
「俺はともかく、○○○まで夕飯抜きって無いだろ!」
ハヤテはナギの腕を掴み、こちらを向かせた。
ナギ
「お前が盗み食いしなきゃいいことだ」
ハヤテ
「ぐっ…」
ナギ
「甲板の掃除でもしてろ」
そう言って腕を振り解くと、ナギは厨房へと消えていった。
ハヤテ
「ったく、何だってんだよ…」
○○○
「ハヤテ…」
慌てて追いかけてきた○○○。
ハヤテ
「あ〜。わりぃ、何とかすっから」
ぽん、と○○○の肩をたたくと、ハヤテは船尾のほうに向かって行った。
シン
「何の騒ぎだ」
甲板で整備をしていたシンは、少し驚いた様子でこちらに来た。
パタパタとトワも駆け寄ってくる。
シンは○○○の顔を見、ため息をついた。
シン
「…ハヤテか?」
○○○
「…」
シン
「ま、懲りずに盗み食いでもしたんだろう」
トワ
「あれ?だから今日お昼抜きだったんですよね」
○○○
「そう、なんだけど…」
シン
「…そうか。お前昼飯ん時」
トワ
「え?」
○○○
「…ハヤテさんお昼食べてないから…」
こっそりお昼のサンドイッチをハヤテに持っていったという。
シン
「そりゃナギも怒るな」
トワ
「うーん。優しい○○○さんらしいですが…」
シン
「馬鹿。それは優しいんじゃなくて甘いんだ」
○○○
「甘い?」
シン
「○○○。お前、腹へって死にそうになった事無いだろう?」
○○○
「貧乏ではありましたけど…確かに無いです…」
シン
「海の上では食料の補給が出来ない。
運良く魚が釣れるか、他の船を襲うか程度だ」
○○○
「…」
シン
「食料の不足は、即俺たち全員の生死に繋がる。分かるか?」
○○○
「…はい」
トワ
「ナギさんが食料に神経質なのは、そのせいなんですね」
シン
「ああ。こんなこと言われなくたって気づけって事だよ」
シンさんが厨房のほうを見てため息をついた。
シン
「お前も。罰で飯抜いてるのわかってんのか?」
○○○
「…」
トワ
「ま、まあまあ。○○○さんも分かってくれたみたいですし」
シン
「…ちゃんと躾けとけ!」
ビシ、と○○○の額にでこピンをすると、トワをつれてシンは行ってしまった。