title 夢話

□生
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『あ。せんせー!!いますよー!!私です!!』

「大丈夫か??まってろ、今扉開けるからな!!」



〜forth〜



部屋の外からざわざわと声が聞こえる。
どうやら外にいるのは担任だけじゃないらしい。

「少し下がってろ!」

そう言われて数歩後ろに下がる。

『下がりました!』

そう言うと
せーのっという掛け声とともに扉に大きな衝撃がおこる。

先生方は力ずくで扉を開ける気らしい・・・。
なんどか体当たりをくりかえす

次の瞬間、バキッという音で扉はあっけなく開いた。
いや、壊れた。

「おお!・・大丈夫だったか!?篠原!」

『全然大丈夫ですよ。
というか、さっきまで扉に身体を打ちつけていた先生たちこそ大丈夫なんですか??』

ようやくここから出られる!

しかし、自分たちで脱出というか、先生に助け出されてしまったな。

「いやぁ。いつもなら仕事が早いお前がなかなか戻ってこんからなあ。」

先生・・・。わかってるじゃないですか。


「悪かった。これは学校側に責任がある。今日はもう帰りなさい。」

言われなくても帰る気満々です。

『じゃあ。失礼します。』

「おう。気をつけてな!」

廊下は思っていたより薄暗い。
なんか急に怖くなってきた・・・。

そう言えば。高橋君はどうしたんだ?
さっきから全然出てきてない・・。

『・・・おいてきちゃった。』
「何をだよ?」

『うわぁああ!!??』

「・・うっせーな!そんなに驚くことねえだろ!?」

『だって・・!てかどうやって抜け出して』

「人聞きの悪い言い方すんなよ。お前が出てった後、
アイツラがいなくなったから出て来たんだよ。見つかったら後がめんどくせェし。」

『・・高橋君、悪い子だからね。』

「お前な・・・。あの部屋に二人きりだったんだぜ?俺と。
普通、アイツラなら何かあったと思うだろ?」

『あ・・・・。』

そういうことか・・・。
ていうか、改めて考えると確かに部屋に二人きりだったな・・。

『でも!実際は何もなかったし!大丈夫だよ。』

「・・まじでお前変だ。」

『ええ!?改めて言われても傷つくだけというか・・。』

ん?
まてよ。

『高橋君、帰らないの?』

「こっからはでるけど、家には帰んねえ。」

やっぱり悪い子だな・・。
『えっと。カバンは教室にあるの?』

「・・どっかいった」

『どっかって・・・。』

とにかく私は教室まで行かなきゃ。
そこに色々置いてるし。

『じゃ。私は教室行くから。高橋君もふらふらしないで早く・・・』

帰るんだよ、と言うつもりが言葉が止まる。

だって。
高橋君の手が私の手、掴んでるんだもん。
進もうとするけど逆に引っ張られる。

『・・・どしたの?』
もしかして怖がり・・?

「・・・てる」

『へ?』

「・・校門で。待ってる。」

『なんで・・!?』

「・・お前を送ってやるって言ってんだよ!」

早く来いよ!と念を押されると、掴んでいた手がするりとほどかれて
高橋君は一人で行ってしまった。

『どうしよう。』
これに従うべきか・・・。
とって食われようものなら私の人生がおわる。

だけど。こんなにも嬉しいのは何でだろう。
高橋君の言うとおり私はおかしいのかもしれない。

『・・・急がなきゃ。』

階段をのぼる足取りは軽く、いつしか高橋君に対する色んな固定観念は吹っ飛んでいた。




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