title 夢話

□き
1ページ/1ページ




「お前さ。俺が怖くないわけ?」

『・・・。』


何というか拍子抜けした。
いきなりどうしたんだ。


〜third〜



怖くない・・。と言ったらウソになるけど。
でもすごく怖いわけでもない。

『そうだな・・。あんまり。』

「なんで?」

なんで、ときたか。

『高橋君、初めて話したけど普通にしゃべれるし。全然怖いって感じじゃないし。』

いや、睨んでくるとこはさすがに怖いけど。

そう言いながら棚の上によじ登る。
さすがに、やめろって高橋君に止められたけど。

「変な奴。」

『悪かったですね。変なやつで。
なんでそんなこと聞くの?』

「普通俺のこと怖がるだろ。誰だって。」

『・・・まぁ。噂とか、聞く限りではコワイヒトって感じだけど。』

三年の先輩数人を一人でボコボコにしたとか、
ケンカで負けたことないとか・・・。
そんな話は耳にしたことがある。

高橋君の姿を教室で見たことなんてほとんど、いや、まったくないかもしれない。

校舎内では何度かすれ違ったこともあるけど。
今、こうして面と向かって、話してみても怖さなんて感じない。

私がおかしいだけだろうか?

『噂とかって、あんまり好きじゃない。
ウワサと見た目だけで人を判断したくないし。ね??』

高橋君、意外に優しかったりして。

なんて言って笑うと、高橋君はすごく複雑な顔で私を見ていた。

『何かついてる?私の顔。あっ、優しいとか嫌だった?ごめん。』

あわてて謝ると照れたように顔を逸らした。

「ばっかじゃねえの。」

『・・・っば!?』

「いまどき、お前みてえな純粋バカ、幼稚園探しても見つかんねえよ。」

それってつまり

『私って幼稚園児以下・・・』

「そうかもな。」

否定しないのか!!

ふと腕時計に目をやると夕方の六時を回っていた。

『やば・・。早く帰んないと。』

そのとき----------


「おーい!!篠原!!いるか??」

外から先生の声がした。


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ