short BASARA夢話

□愛シ イトシ
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『きもちいぃ〜!』


空は見事な五月晴れ。
春の陽気がただよう今日この頃。
伊達軍忍隊隊長である、真冬は縁側でのんびりと寝ころんでいた。

『このまま眠れそう…』

「真冬………。」
『…ん〜。』
「おい!真冬!」
『うるさいなぁ…。私は寝たいんだよぉ。』

はっ!
今の声は…

ギギギ、と首をまわして後ろを振り向く。



『…こ。小十郎…』


「そんなに寝たいのなら、今すぐ寝させてやろう。永遠にな。」

『いっ!いつのまに!』
「最初からだ。まったく。お前は本当に忍か?」

『うっ!気づいてたけど、ワザと話しかけなかったの!』


小十郎、こと片倉小十郎はハァ〜とひとつ大きなため息をついた。

「お前に頼みがある。」
『はい?どんな仕事?』

「伊達軍領地内のみまわりに行ってきてほしい。最近の周辺諸国の様子が気になるんでな。」
『いいけど・・。小十郎の畑の草取り、後回しでいいの??』

「あぁ。草取りはもうしなくても大丈夫だ。お菊にまかせてあるからな。」



また・・・。
また、「お菊」ちゃんか・・。


『・・・。分かった。行ってくる。』
「夕餉までには帰ってくるんだぞ。政宗さまも真冬の事となると大騒ぎだからな。」

『政宗は・・・大騒ぎなんてそんなことしないよ。』
だって、お菊ちゃんがいるからサ。

「なんだ?なんか言ったか?」

『ううん。じゃっ!』
にこりとほほ笑み、シュッっと姿を消す。


一人残された小十郎はもうひとつ大きなため息をつくと、自分の仕事にもどっていった。



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