スレチガイぶるーす

□6
1ページ/1ページ




『おはよーう!』


元気よく教室に入る。友達の何人かが挨拶を返してくれる。

そんなに元気ないんだけどね。


「good morning!ハル!お前、昨日のテレビ、みたか?」

………。
フイッ…

『い、いやぁ?昨日はテレビは何も見てない。』

「なんだよ!前ハルが言ってたやつがでてたんだぜ?」

『へぇ…。あっ!私日直だから。ゴメン。』


普通に話せないよ。
そういえば、政宗は昨日私が話を聞いてたこと、知らないもんね。


「ハル!ちょっと前田の風来坊んとこまでついてきてくんねぇか?」

『先生に頼まれた仕事、あるから。』



「ハル!昼飯、食いに行こうぜ!」

『昼休みまでに、係りの仕事、終わらせないといけないから。』



「ハル。」

『ゴメン。ちょっと友達と約束があるの』


こんなことに
なりたくなかった。

私から政宗を避けることになるなんて。

「Wait。」
『…何?』

「どうしても、今日話さなきゃならねぇ事がある。」

『今日じゃなきゃだめなの?』

「あぁ。間に合わなくなっちまうからな。」

『じゃあ、聞く。』
「来週の夏祭りの事なんだが…。」


………。
なんだ。
わざわざ行かないって、言いにきたわけか。

『わかってる。』

「そうか!なら話ははえぇ!」
『うん。私は気にしてないよ。だから、政宗はちゃんと好きな子とでも行ってよ。』

「……。What?」


『だから。楽しんでねって言ってんの!』
「ハル!何してんの?早く行くよ!」

ちょうど友達が呼ぶ声が聞こえた。

『話ってそれだけでしょ?私、もう行くから。』

「ハル、お前、…!」


政宗が言い終わる前に、その場に背をむけた。
つらいだけだし。

もうこの場にいたくなかった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ