short イニD夢話

□zzz
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放課後の教室というのはとても静かで。
なんとなく寂しくて・・・。

そんな教室でぐっすりと眠る一人の学生の姿があった。

「・・・真琴。」

ぼそりとその学生の名前をつぶやくが、反応はなく、ただむなしく室内に響くだけだった。

俺はゆっくりと彼女、奈瀬真琴に近づき、
起こさないように静かに目の前に座った。

間近で見ると長いまつげや、綺麗な肌、さらりと風にながれる長い髪の毛は
拓海の心臓を大きく揺らす。

好きなんだ。真琴が。

どうしようもなく大好きで。
愛しくて。

今もこんなに近いようで
遠い・・・

いいかげん、気付いてほしい。

このまま“クラスメート”という名の位置づけで終わってほしくない。

「・・真琴」

もう一度愛しい人の名を呼ぶ。
髪を少し手にとって指に絡める。
柔らかくて良い香りがする。

これじゃただの変態だな。

自嘲気味に笑ってするりと髪を指から離す。
そのまま真琴の頭をなでる。

「・・起きねぇな。」

俺もよく寝る方だけどこいつもなかなか図太いというかなんというか・・・。


「好きなんだ。真琴の事が。」

寝ているなら言ったって構わない。

「お前はいつ気づいてくれるんだよ。」

そう言った後、立ちあがる。
今日はバイトだったな。

自分の机に向かい、カバンをとると
教室から出て行った。




その後すぐ。
真琴の顔が真っ赤に染まったことを拓海は知らない。




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(反則だよ・・・拓海君・・・)

(改めて考えると。恥ずかしいな、俺。)






拓海のキャラが!
崩壊・・・!


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