short イニD夢話

□お願い
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私は走り屋をしている。
一応・・・。

腕に自信があると言ったらウソになるけど。
ヘタではない。

これでも、チームメンバーである、涼介さんと、啓介にしごいてもらっているから。

『ねぇ。ケンタァ。良いよね!?別に。』

「真琴・・。おまえな、いいかげんあきらめ」
『嫌だ!!それは絶対いやだ!!』

「ハァ〜。言っとくけどな、啓介さんはお前のもんじゃねえんだよ!!」

『ケンタのものでもないじゃん!』
「っく・・・!」

「お前ら、なにもめてんだ?さっきから。」

「っげ!!啓介さん!!」

「んだよ?ケンタ。俺が来ちゃ悪いのかよ?」

「いや、そういうことではないんですけど!!」

「じゃあなんだよ?」

啓介は真琴とケンタを交互に見比べた。

『あのね!!啓介にお願いがあるの。』

沈黙に耐えかねた真琴が先に口を開いた。

「なんだよ?」

『啓介のFDに私を乗せて、赤城山の全開ダウンヒルをしてほしいの!!!』

「・・・。」

啓介はぽかんとした顔になる。

「ほら見ろ。啓介さんが困ってるだろ!やっぱりそんなことできませんよね?啓介さ」
「いいぜ?べつに。」

「・・・ええええぇえ!?!?」

『ホント!?やった!!』

「ただし、マジで全開ドリフトだからな。やめろっつってもやめねえぞ?」

『ぜんぜん大丈夫!!』

「じゃ、行くか。乗れよ、FD。」

『おう!!じゃあね、ケンタ。』

「けっ!!啓介さん!!俺もあとでFDに!!」
「2回はさすがにめんどくせぇ・・・。」

「・・・・・。」

ケンタを残し、真琴と啓介はFDに乗り込んだ。






一回でも良いからFDに乗って全開ダウンヒルと言うものを見てみたかった。

啓介のドラテクも拝めるわけだし!
一石二鳥だ。

「いくぜ。」
『はい!!』

FDは急発進し、夜の闇に消えていった。



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