short イニD夢話

□ぶつかった視線の先
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大事な書類にコーヒーをこぼしたり

階段で足を踏み外したり

何もないところでこけたり


私は俗に言う
ドジっこ
なのだろうか…




---ぶつかった視線の先---



「そうでしょ。絶対。」

『……そうなのか』

昼過ぎ
大学内にある小さなカフェで友人と一息ついていた。

「真琴をドジっこと言わないで何と言うってね。」

『言い過ぎだよ〜…』

「どこがよ!そのままじゃない!」

『私だって好きでドジ踏んでるんじゃないし!』

「あのねぇ……あ。ちょっと待って。」

友人はいきなり鳴りだした携帯電話を片手に店を出て行った。

「ごめん!先輩の手伝い頼まれたから、もう行くね?」

数分話した後、戻ってきたと思ったら
そんな事を言われる。

『ん〜。私もいっしょにでる。』


店を後にし
二人して広い学内を歩く。

「そういえば!真琴の学科にいる高橋くん…だっけ?
めちゃくちゃかっこいいよね?」

『高橋くん…あ。あぁ。あの、頭いい人か。』

「なによ〜!!興味ないわけ!?」

『いや。何て言うか。あの人苦手で…』

「はぁ!?ありえない!あんないい男が苦手だなんて…。
オマケに親はでっかい病院やってて、ボンボンらしいよ〜!!」

『ボンボン…』

高橋くんは
何かしら私につっかかってくる。


レポートはできたのか??とか

次の授業の準備はしたのか??とか。

いかにも私をからかってる顔と口調で。
あなたはお母さんですか!?



「真琴…真琴!!ちょっと、大丈夫?」

『はぃ!?へっ!?』

「もう!しっかりしてよ〜!!私、こっちだから。じゃあね〜!!」

『あ。うん。またね…!』




友人の背中をボーっとしながら見送った。

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