short イニD夢話

□甘えたくなる
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『こんにちはー!!』

「ん??真琴じゃねぇか。久しぶりだな?」

『おっ!啓介!珍しいね。家にいるなんて。』

「んだよ?俺だって家にいるときくらいあるっつーの。」


昼の二時をまわったころ。

高橋家に一人の客があらわれた。

「それより。アニキならまだ大学だぜ?」

『あぁ。涼介はいいの!借りてたもの返しにきただけだから!』

客、もとい、真琴は啓介の兄、涼介と付き合っている。

小さい頃から
よくいっしょに遊んでいた三人は幼なじみというやつだ。


コンコンッ


誰もいるはずのない涼介の部屋の戸をノックする。

『失礼しま〜す…』

恐る恐る部屋に足を踏み入れた。

相変わらずキレイに整頓された、無駄のない部屋だった。


机に借りていた物が入っている袋をおく。
『ありがとう。』


そう呟いて部屋を後にし、階下におりると何やら出かける支度をする啓介の姿が目に入った。

「あっ。真琴。わりぃけど、ちょっと留守番頼まれてくんねぇか?」

『えぇ!?…啓介、家の鍵持ってないの!?』

「なくしたんだよ。だから、今日は家出れねぇなって思ってた所に真琴がきたんだ。
これから用事あんのか??」

『いや…これといった用は…』

「なら決まりだな。なるべく早くもどるから。」


ナイスタイミング…
と言うべきだろうか?

まぁ、午後からの予定は入っていない。

本当に久しぶりに高橋家に来たこともあり、真琴は啓介の頼みをうけた。

勇ましいロータリーサウンドを響かせながら出て行く啓介を見送り、ソファに腰掛ける。


ふかふかのソファ
天気は快晴
春の穏やかな陽気に誘われて、
真琴が眠くなるのも無理はなかった。

そうして真琴はいつしか深い眠りについていた。


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