short イニD夢話
□空白
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『拓海君・・』
「・・何でだろうな。今日、ここに来たのも真琴に会いたくなって・・って何言ってんだ俺。」
気にしなくていいから・・!
照れながら頭をかいている拓海君。
『あのね。私ね。拓海君が秋名に来なくなってから、ずっと不安だった。
・・なんか拓海君は私とは別世界に行っちゃったんだって。拓海君の存在が遠くなった気がした。』
「真琴」
『プロジェクトDの話とか。毎日のように聞いてる。』
だから余計、あなたが私から離れていく・・
近づくこともできない私は、ただ拓海君の背中を見ているだけ
『だから「遠くねえよ。」
『・・・え?』
「遠くない。俺はいつでもお前の、真琴の事、考えてる。」
『たくみくっ・・』
抱きしめられて、動けなくなる。
「・・・好きだ。・・真琴が。」
そうつぶやいた拓海君の声は
夜の峠にこだましていった。
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(拓海君・・・)
(俺・・ずっと、お前の事・・)
(うん、わかったから。ちょっと待って。)
(好きで・・)
(拓海君、池谷先輩達が見てる。)
(・・・・・。)