short イニD夢話
□無理はしないで
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久しぶりに
本当に久しぶりに
啓介が家に遊びに来てくれた。
今まで会えなかった時間を埋めていくかのように、
私は彼とたくさん話した。
笑った。
楽しかった。
---無理はしないで---
『啓介〜。今日は何時まで大丈夫なの??』
久しぶりに会うことのできた彼氏、啓介に尋ねる。
「あぁ??そうだな…晩飯くったら帰る。」
プロジェクトDの事もあるしな…
そう呟いた彼は寂しそうだった。
『わかった。じゃあ、今から晩御飯作るけど。何が良い?』
「何でもいいぜ。真琴が作ったやつなら。」
『ん〜…』
とりあえず冷蔵庫の中身を確認する。
『うわぁ。』
食材がほとんど入っていない。
最近、忙しくて料理できなかったからなぁ…
『啓介。ちょっと買い物行ってくるけど…』
……………。
無視!?
『啓介!聞いてる!?』
キッチンから出て、
ソファに座っている啓介を覗き込んだ。
『けい……すけ……?』
そこにはスースーと寝息をたてながら
気持ちよさそうに眠る啓介の顔があった。
『……はぁ。』
疲れているのだろう。
プロジェクトDも大変なようだし。
にしても。
やっぱり寝顔も男前なわけでして。
真琴は啓介に顔を近づけて、
頬に触れるだけの優しいキスをした。
『無理…しないでね…??』
疲れていても
こうやって会いに来てくれることが嬉しい。
その時、不意に啓介の腕がのびてきて
真琴の腕をつかむ。
『んっ……!?』
そのまま真琴は引っ張られ、
啓介と唇がかさなる。
「かわいいまね、してくれるじゃねぇか?」
にやりと笑った彼の顔に寝ていたという印象はうけない。
『ずっと起きてたの!?』
「目つぶってただけだ。」
『…ずるい!』
「それより、キスするなら口にしろよな?」
『だっ!だって…』
真琴の顔が赤く染まった。
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(寝るのはやいって思ったんだよね!)
(だから寝てねぇよ。)
(…啓介キライ)
(はぁ!?!?)