short イニD夢話
□わかるとき
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『わからない。あなたのことが。あなたの気持ちが。私の想いが。』
「俺は本気だ。絶対お前を逃がしたりしない。」
---わかるとき---
「真琴!!!!」
友人に名を呼ばれ振り向くと、
すさまじい勢いで私の顔にグーのパンチがとんできた。
『っとぉ!?!?なに!?いきなりどうしたの!?』
「あんた…最近涼介様とどうなのよ…!?」
様って…
『別に…どうも…』
「はぁ…ほんっとにうらやましい限りだわ!あの涼介様と2人っきりで補講授業なんて!」
『そうかな…?』
涼介様こと。私の赤点補講授業の先生(仮)
高橋涼介くんに数学を教えてもらい始めてはや数日。
「ちょっと!真琴どうしたの?やけにテンション低いじゃん?」
『そうかな…?』
「なんかあったわけ?」
『…何もないけど。』
「うーむ…。おかしい…。最近、真琴おかしいよ!」
『えっ!?どこが??』
「階段でつこけたり、弁当忘れてきたり。とにかく。
ボーっとする時間が多い!やはりこれは何か…」
『何もないー!!』
一体、どうなっているのだ。
気付けば、いつも涼介くんのことを考えてしまい、勉強にも集中できない。
だいたい、補講初日にあんな事されたら意識したくなくてもしちゃうっつーの!
『わからない…あなたのことが。あなたの気持ちが。私の想いが。』
誰にも聞こえないようにぼそりとつぶやいた。