short イニD夢話
□わからせる
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いつも。
いつも。
いつも。
二階の教室からみえる、彼女の姿は美しかった。
---わからせる---
「おい。奈瀬。お前、もう一回二年生やるか??」
『いっイヤですよ!』
「じゃあ。何だ。この点数。」
『それは!その…テスト中に頭痛がして、ちょっと休もっかなぁ…って思って!!目をつぶったら。軽くワープしてしまいました☆』
「奈瀬。お前。こっから下に突き落としていい?」
『先生!ご冗談を…』
三階。
職員室。
となりからこんな会話が聞こえた。
盗み聞き…とまでは言わないが、その話に聞き入っていたのは事実だ。
「おま。ちょ。数学9点とか。あり得ないんですけど。」
『デスヨネー…』
そんな内容の話をしばらくした後、真琴は職員室を出て行った。
奈瀬真琴
それがあいつの名前だ。
「まったく。どうしたもんかな。奈瀬は。これじゃあ補講をしようにもできないし…」
補講をしようにもできない……?
担任の机にプリントを提出し、
さっきまで真琴と話していた教師に近づく。
「…ん?高橋じゃないか。どうしたんだ?」
「先生。赤点該当者の補講って…」
「補講か??いつもならしているんだがな。なんせ、その該当者が奈瀬一人なんだ。一人のために、補講は出来ないからな…」
まぁ。毎回学年一位のお前にはまったく関係ないがな!!
そう言って笑う教師。
「それ。やらせてくれませんか?」