short イニD夢話

□わかんない
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『…………。』

「…………。」


きまずい。

きまずいよ…
この沈黙。


---わかんない---


『あの〜…』

「…なんだ?」

『えと。何であなたがここに??』

「……。」


無視!?!?

「お前、テスト赤点ばっかで、今ヤバいんじゃないのか??」

『そう…ですけど。』

そうですけども!

なんであなたが!!

高橋涼介様ともあろう方が!!

私に数学を教えてくれてるのですか……?

だいたい、高橋涼介っていったら、この学校で知らない人はいないってくらい有名人だ。

かっこいい…
いや。かっこよすぎなくらいの容姿
頭もいい。

そんな方が何で万年赤点女王(仮)の私に数学を…


「そこ。解けたのか??」

『は??あ。いえ。まだ…』

「ここは?」

『ぜんぜん。』

「……」

すいませんねぇ!?
バカで!

あぁ。そんな哀れむような目で私をみないで下さい。

「じゃ。教えてやるから。よく聞いといて。」

『は、はい!!』

すらっとしたキレイな手が私のノートまでのびてきて、
時々、大人っぽい字で言葉を書き足しながらわかりやすく教えてくれる。

「…で。この公式にあてはめると、答えがでる。わかったか?」

『……う』

「……う?」

『う…うわぁぁ!』

驚いてキョトンとしている涼介

「なにか…『すごい!!!!』

何なんだ!この人!

『ぜんぜんわかんなかった問題なのに!!涼介くん、すごいよ!』

「…このぐらいの因数分解の問題がわからなかった奴もすごいと思うが。」

『…うっ。い!いやぁ!ハハハ〜!』


涼介くんっていい人だぁ。

私はあまり接点ないし、しゃべったことなかったけど。

「……」

ん。
『何か…??』

「真琴…だったよな。」

『はい。』

うわ。何?
めっちゃガン見されてる…

涼介はすっとイスから腰を浮かした。

そのまま顔を真琴に近づけていく。

『え…な。何を…』

真琴の顎をつかみ上をむかせる。

ななななな
なに!?!?

唇が!!
唇……





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