short イニD夢話

□コイガタキ
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『大輝〜〜!!』

「…んだよ?」

すっかり聞き慣れた声に名前を呼ばれ、振り返る。

そこには憎たらしい(ぐらいかわいい)顔をした真琴の姿があった。

『ふっふっふっ!実は昨日、ここに……智さんがきましたぁ!!!』

「…!?マジカよ!?」

『そしてここに!!智さんからもらったプレゼントがあります!!』

「な!何でお前が智さんからプレゼントなんかもらってんだよ!」

『ん〜。かわいいから???』


あぁ。殴りてぇ…


「智さんは真琴のこと、気に入ってるからね。」

『さっ!酒井さん!それ、本当ですか!?』

「うん。智さん、真琴の話になるとすごく優しい顔するしね。」

『うわぁ!どうしょう!loveとかうまれt…「うぜぇ。」

大輝は苛立ちをおさえきれない。

大輝だって智さんのことは好きだ。
尊敬している。

問題はそこじゃない。

きにくわない。
おもしろくない。

何でこんなにもイライラするのだろう。


『も〜…大輝、そんなに怒んないでよ。冗談だよ。冗談!』

かわいらしく笑う真琴をみて再確認する。


俺は真琴が好きだ。


真琴に他の男の話なんかしてほしくない。

多分、これは、あんなに真琴に好かれている智さんへの嫉妬だ。


いつの間にか、酒井の姿が消えていた。

『あっ!!わかった!大輝もプレゼントほしかたんでしょ〜!でも。大輝の分はないんだなぁ…!』

「いらねぇよ。プレゼントなんか。」

『…いらないの!?何で!?』

「俺が欲しいのは」

手を伸ばし、真琴を抱き寄せる。

俺が欲しいのは…

「真琴だ。」

『……は!?え!?ちょ!?』

そのまま唇を重ね合わせる。

驚いたのか、真琴は手に持っていたプレゼントの箱を下に落とした。

その音がやけに耳元で響いた。



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