short イニD夢話
□スキとキライは難しい
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『かっこいい…』
「……。」
『あぁ。かっこいい…』
「……。」
『かっこよすぎるぅ!!』ガッターン!
「うっせーよ!」
---スキとキライは難しい---
『いっ!痛いじゃん!?なにすんのさ!啓介!』
「なにすんの、じゃねぇだろうが!!さっきからうるせーんだよ!」
『だって!涼介さん、かっこいいんだもん。』
真琴はそう言うと、机に置かれているジュースを飲み干した。
「じゃあ何でいちいち俺の部屋にくんだよ…。アニキの部屋に行けばいいだろ?」
『いや!だめだめ!絶対行けない。部屋で涼介さんと二人っきりなんて……!!』
「はぁ……。」
俺と二人っきりなのは大丈夫なのかよ……。
いつもコレの繰り返し。
部屋には惚れてる女
だけど何もできない俺。
真琴が、俺の部屋に遊びにくる目的はどうせアニキだ。
改めて考えるとイライラしてきた。
「……。」
真琴には何も言わず、部屋をでようとすると。
『あっ!啓介!どこ行くの!』
「アニキ大好きなお前には関係ないだろ。」
『ちょっ!』
真琴の言葉を最後まで聞かず、ドアを閉めた。
そのまま、ドアの数歩前で立ち止まる。
……情けねぇ。
自分の気持ち一つ、
相手に伝えらんねえなんて。
どうせ叶わない恋なら、いっそのことふられたほうが…
なんて考えていると。
『けっ!啓介!…って……あれ?』
真琴が勢いよく、部屋から飛び出してきた。
当然、部屋の前にいた啓介に真琴が勢いよくあけたドアがクリーンヒットするわけで。
『…あれ?…何してんの?』
啓介は頭をおさえ、悶絶している。
「……っ!…こんの馬鹿力!!」
『ばっ!?…そんなとこにいる啓介の方が馬鹿だよ!!』
「馬鹿にバカって言われたくねぇな…」
『だからバカじゃないし!バカ啓介!』
「うるせー!バカ真琴!」
ブチッ
『…けいすけの…ばか…わからずや…鈍感男!』
「あー。はいはい。どうせ俺はバカでわからずやで鈍感……」
鈍感……??