short イニD夢話

□スキとキライは難しい
1ページ/2ページ



『かっこいい…』

「……。」

『あぁ。かっこいい…』

「……。」

『かっこよすぎるぅ!!』ガッターン!
「うっせーよ!」



---スキとキライは難しい---



『いっ!痛いじゃん!?なにすんのさ!啓介!』

「なにすんの、じゃねぇだろうが!!さっきからうるせーんだよ!」

『だって!涼介さん、かっこいいんだもん。』


真琴はそう言うと、机に置かれているジュースを飲み干した。

「じゃあ何でいちいち俺の部屋にくんだよ…。アニキの部屋に行けばいいだろ?」

『いや!だめだめ!絶対行けない。部屋で涼介さんと二人っきりなんて……!!』

「はぁ……。」
俺と二人っきりなのは大丈夫なのかよ……。


いつもコレの繰り返し。

部屋には惚れてる女
だけど何もできない俺。


真琴が、俺の部屋に遊びにくる目的はどうせアニキだ。

改めて考えるとイライラしてきた。

「……。」

真琴には何も言わず、部屋をでようとすると。

『あっ!啓介!どこ行くの!』

「アニキ大好きなお前には関係ないだろ。」

『ちょっ!』

真琴の言葉を最後まで聞かず、ドアを閉めた。

そのまま、ドアの数歩前で立ち止まる。

……情けねぇ。
自分の気持ち一つ、
相手に伝えらんねえなんて。


どうせ叶わない恋なら、いっそのことふられたほうが…
なんて考えていると。

『けっ!啓介!…って……あれ?』

真琴が勢いよく、部屋から飛び出してきた。

当然、部屋の前にいた啓介に真琴が勢いよくあけたドアがクリーンヒットするわけで。

『…あれ?…何してんの?』

啓介は頭をおさえ、悶絶している。

「……っ!…こんの馬鹿力!!」

『ばっ!?…そんなとこにいる啓介の方が馬鹿だよ!!』

「馬鹿にバカって言われたくねぇな…」

『だからバカじゃないし!バカ啓介!』

「うるせー!バカ真琴!」


ブチッ
『…けいすけの…ばか…わからずや…鈍感男!』


「あー。はいはい。どうせ俺はバカでわからずやで鈍感……」

鈍感……??




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ