short イニD夢話
□渡り廊下
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突然ですが。
私には好きな人がいます。
その人とは同じ学校、同じ学年なのですが…
---渡り廊下---
「真琴〜!早く行くよ〜!」
『待って!沙雪!』
「まったく!授業に遅れると須藤のヤツ、ウルサいんだから!」
『ごめんってば〜!』
親友の沙雪に怒鳴られながら、理科室へ走る。
理科室に行く時は、いつもここ、校舎二階にある渡り廊下を通るわけですが…
“あっ…拓海くん、いるかな…”
ちょうど次の授業が体育である、七組とここですれ違います。
私が思いを寄せているのは、その七組の藤原拓海くんです。
ちょうど入学して間もない頃……----
私は視聴覚室の場所がわからず、さまよっていました。
『迷った………』
方向音痴が一人で歩き回るものではないな…
『ここの渡り廊下、さっきもきたよな…』
この学校、なぜか、校内がめちゃめちゃ広いんです。
無駄に部屋数多いし!
『どうしよ〜…』
また沙雪に怒られる〜
そのとき
「あの…。すみません。」
『……は、はい!?』
「化学第二教室ってどこかわかりますか?」
『えっ…。』
誰だ!この子!
てか私に聞かれても…!!
胸元の学年章を見ると、1の数字。
『あの〜…私も一年生なんで…よく分かんないんですけど。』
「えっ…!あぁ。そうですか…。まいったな…」
困ったように頭をかく男の子。
少し顔が赤くなっている。
照れてるのかな…
ていうか、この人……
一目惚れでした。
この後、沙雪が私を迎えに来てくれて、化学第二教室の場所も沙雪が拓海くんに教えてあげて…。
沙雪の記憶力の良さには毎回驚きます。
とまぁ。
拓海くんとの出会いはこんな感じでした。
「はぁ〜…真琴も本当にオクテだよね!交わした会話が今まででそれだけって…」
『だって!緊張するし!見てるだけで十分っていうか…』
「あぁ!じれったい!いつの時代の青春ドラマかっての!!
話しかけてみなよ!」
『むりむり!拓海くんも私のことなんか忘れてるって!』
「そんなの話しかけてみなきゃわからんでしょうが!!」
『で。でも………』
できるもんなら私もそうしたいわ…