short イニD夢話

□渡り廊下
1ページ/2ページ




突然ですが。
私には好きな人がいます。

その人とは同じ学校、同じ学年なのですが…




---渡り廊下---



「真琴〜!早く行くよ〜!」

『待って!沙雪!』

「まったく!授業に遅れると須藤のヤツ、ウルサいんだから!」

『ごめんってば〜!』


親友の沙雪に怒鳴られながら、理科室へ走る。

理科室に行く時は、いつもここ、校舎二階にある渡り廊下を通るわけですが…


“あっ…拓海くん、いるかな…”

ちょうど次の授業が体育である、七組とここですれ違います。

私が思いを寄せているのは、その七組の藤原拓海くんです。


ちょうど入学して間もない頃……----

私は視聴覚室の場所がわからず、さまよっていました。


『迷った………』

方向音痴が一人で歩き回るものではないな…

『ここの渡り廊下、さっきもきたよな…』

この学校、なぜか、校内がめちゃめちゃ広いんです。
無駄に部屋数多いし!

『どうしよ〜…』
また沙雪に怒られる〜


そのとき
「あの…。すみません。」

『……は、はい!?』

「化学第二教室ってどこかわかりますか?」

『えっ…。』

誰だ!この子!
てか私に聞かれても…!!

胸元の学年章を見ると、1の数字。

『あの〜…私も一年生なんで…よく分かんないんですけど。』

「えっ…!あぁ。そうですか…。まいったな…」

困ったように頭をかく男の子。
少し顔が赤くなっている。

照れてるのかな…
ていうか、この人……


一目惚れでした。

この後、沙雪が私を迎えに来てくれて、化学第二教室の場所も沙雪が拓海くんに教えてあげて…。


沙雪の記憶力の良さには毎回驚きます。


とまぁ。
拓海くんとの出会いはこんな感じでした。

「はぁ〜…真琴も本当にオクテだよね!交わした会話が今まででそれだけって…」

『だって!緊張するし!見てるだけで十分っていうか…』

「あぁ!じれったい!いつの時代の青春ドラマかっての!!
話しかけてみなよ!」

『むりむり!拓海くんも私のことなんか忘れてるって!』

「そんなの話しかけてみなきゃわからんでしょうが!!」

『で。でも………』

できるもんなら私もそうしたいわ…


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ