short イニD夢話

□こんな日に降る雪は
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『ねぇ。涼兄!』

「…なんだ?」

『今日、雪降ってるよ!』
「そうみたいだな。」

『雪だよ…?』
「冬だからな。雪くらいふるだろう。」





「どうしたんだよ。真琴。不機嫌そうな顔して。」

『涼兄が悪いんだよ!』


今年初めて降る雪に感動していた真琴

「お前もう、高校生だろ?いちいち雪なんかで騒がなくてm『啓兄までそんなこといって!』


真琴は啓介が読んでいた雑誌をとりあげた。

「おい!何すんだよ!真琴!」

『いっつもいっつも車ばっかり!こんなのばっかり読んで、
全然運動してないから啓兄は頭がパーになるんだよ!』

「アニキだってそうじゃねえかよ!」

『うっ…りょ!涼兄は別!』

「別じゃねぇだろ!いいから返せよ!」

『いーやー!』

「…ったく!お前、何がしてぇんだよ。」

『フッフッフッ。ずばり!雪合戦しよう!』

そしたら、これ返す!
と、手にしている雑誌をたかだかに掲げる。

確かに。
最近運動してねぇし。
真琴にもかまってねぇからな。


「……しょうがねぇな。少しだけだからな。」


そう言うと、真琴は目を輝かせた。

手袋とマフラーをして外にでる。
広い庭には、雪合戦するには十分な雪が積もっていた。

「……さみぃ。」

『啓兄!いくよ〜!』

え。待てよ。
二人で雪合戦かよ…

せめてアニキも…
バフッ!!


顔には冷たい感触。
崩れ落ちる雪。

『アッハハハ!!啓兄!最高!顔面、クリーンヒット!』

ふざけんなよ…
今のは…
なしだろうが!!!


ボフッ!

「はっ!ざまぁねぇな!」
今度は大笑いする真琴の顔に雪玉がヒットした。

『っく。笑ってるときに投げるのは反則!』

「お前だって不意打ちだろうが!」

両者の間で火花が飛ぶ。




 

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