short イニD夢話

□自信
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放課後の教室


優しく注ぎこむ夕日


そこで話している二人の男女


「だから。俺には馬力下げて速く走れる理由がわかんねえ!」

『うん。私もわかんない。』

「やっぱりアニキはすげぇよ。エンジンの事知りつくしてねぇとそんな事できねぇ!」

『エンジンの事ならなんでも知ってるからね、涼介さんは。』

「俺も少しはエンジンについて勉強するべきだよな。よし!今日アニキに聞いてみよう。」

『・・・涼介さんかっこいい〜〜!』

「なんで話がそっちにいくんだよ!」

『はぁ〜。やっと啓介が戻ってきた。』


真琴は幼なじみである啓介の長話からやっと解放された。

長話といっても、もっぱら車と啓介の兄、涼介の話しだけである。

それでもかれこれ1時間は話している。

『啓介は本当に涼介さんと車が大好きだよね?』

「あぁ。まぁな。」

わかりきった事ですが。
私の事なんか眼中にもないんだろうなぁ。

夕日に照らされている啓介の顔を改めてながめる。

啓介はグラウンドで部活中の友人を見つけて楽しげに話している。


でも

車の事とか涼介さんの事とか話してる啓介の顔が一番好きなんだ。

すっごい良い顔してるんだもん。
なんかズルいよ。


ふと啓介と目があう。

「見惚れてんじゃねぇよ。」

そう言って頭をくしゃくしゃとなでてくる啓介。

『見惚れてません!』

ちょっとだけ
心を見透かされた気がしてドキッてした。

「悪かったな。こんな時間まで付き合わせて。」

『もう慣れたよ。毎度の事だし!』

「帰るか。」
『うん。』


それに
啓介といっしょに帰れるから
いっつも許せちゃうんだな。
これが。


「なんか手寒くねぇ?」
『そうかな?』

「おら。かせよ、手。」
『へっ!?』
「こうしたら絶対あったかいぜ。」


手から伝わる彼のぬくもりに
またもやドキッとさせられる真琴だった。






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