short イニD夢話
□たまには
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夜
8時ごろ
いきなりかかってきた電話にびっくりして、危うくあっためたミルクを落とすところだった。
急いで携帯をとる。
液晶画面には
恋人である
“涼介”
の文字が映し出されていた。
『・・・どうしたんだろ。』
涼介はめったに自分から電話なんかかけてこない。
話すこと自体、久しぶりだったため、少し緊張しながら電話にでた。
『もしもし。』
「真琴。今ヒマか?」
『うん。ヒマだけど。急にどうしたの?涼介。』
「・・真琴に会いたいんだ。今からそっちに行ってもいいか?」
なんて急な!
本当に急だな!
『会うのはいいけど。』
真琴はぐるりと自分の部屋を見渡す。
大学で使う書類や、資料、プリントがたくさん散らばっていて、思わず自分でも目をそらしたくなる。
『今部屋汚いからさ!』
ということで。
仕方なくどこか外にでることになった。
迎えに来てくれた涼介の愛車に乗り込む。
『それで。何かあったの?』
「・・・いや、これといった用はないんだが。本当に真琴に会いたくなっただけなんだ。」
『ん〜。珍しいね。涼介がそんな事言うなんて。』
「そうか?俺はできるなら毎日真琴と会いたいんだが。」
よくそんな恥ずかしいセリフを・・・。
それからたわいもない世間話に入っていく。
気がつくと夜の海で車は止まった。