short イニD夢話

□いつもの風景
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「真琴〜。起きろ。もう六時だぞ。」

『・・・ん〜。もう少しだけ・・・』

「だめだ!お前、二度寝して寝坊したこと何回あると思ってんだ!」

『いやあぁ!!分かった!!起きるから!布団はがさないで!!』




いつもの風景




『・・・くわぁ・・』
「ほら。これ、飲んで。目覚まさないと、啓介みたいに階段からツこけるぞ。」

『ん。ありがと。その話したらまた啓にぃ怒るよ。』

「あいつはまだ寝てるだろ。」

私、真琴は高橋家の長女、
もとい、涼介兄ちゃん、啓介兄ちゃんの妹だ。

「・・・大学、そろそろ決めないとやばいんじゃないか?」

『え〜。まだはやいよ。』

「何言ってんだ。はやいうちに大学決めといた方が後が楽だぞ。」

『でもなぁ。涼にぃみたいに頭良くないし。』
「ちゃんと進学する気があるなら勉強は教えてやるから。」

長男の涼にぃは頭がいい。
大学にも通ってるし。

私はいま高3だから、涼にぃとは5歳離れていることになる。

『これ。おいしいよ!涼にぃ!』
「そうか?少し、味付けを変えたんだが。そっちの方がいいか?」

『うん!!おいしい!』

涼にぃの作る朝食はとてもおいしい。

「じゃあ、おれはもう出るから。啓介を起こしてから学校行ってくれよ。」

『うん!まっかせといて!』

「あいつをうまく起こせるのは真琴だけだからな。それじゃ。行ってきます。」

『行ってらっしゃい!がんばってね!』

私も速く着替えなきゃ。
制服の袖に腕を通しながら歯を磨く。

髪も結んで、顔も洗って。
よし!ばっちりです。

『やば!はやく啓にぃ起こさないと!』

広い家の階段を駆け上がり、私の隣の部屋を目指す。

コンコン

『啓にぃ〜!!朝だよ!起きないとせっかくの涼にぃの朝ごはんがさめちゃうよ!』


・・・・・・・・・。
反応なし。

いつものことです!くじけません!


がちゃっっ!!

『おぉっきっろぉお!!』

部屋のドアを開けてそのまま部屋に突進する。

「っっるっせぇな!!起きてるっつぅの!!」

『おはようさん。』


「はぁ〜。ねみぃ・・・」
『二度寝したら〜啓にぃのFDに乗せてくれるんだよね??』

「っだから!起きてるだろうが!」

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