リクエスト

□ナ様リクエスト(1086番)
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アイツが来る



オレん家に来る



いよいよ母ちゃんや瑠海に紹介する日がやって来た













―――――









オレは独りなんだと思ってた


もちろん、母ちゃんや瑠海っていう大事な家族も、ヒメコやスイッチ・・・たくさんの仲間もいる


それでも、オレは独りなんだと思っていた


この前までは・・・














―――――11月11日 17歳の誕生日





「17歳か


すぐにキミだと分かったよ」




1日に2回もヒゲのオッサンに土下座されたから気分が悪いんだと思ってた



けど、違うんだ



なんで、アイツなんだ?



なんでオレの弟が椿なんだよ!?



オレは弟に恋をしていることになる



いや、男にって時点でアウトだろ!って思ってたのに、兄弟ってどうよ?



ねぇ大丈夫なの?



オレ、大丈夫なの??








そこに、椿がやって来た



血液型から血のつながりがないことは知ってたらしい



それを受け入れるコイツは大人だなと思った



だったらオレの事も受け入れてくれるか?







「兄弟がキミでなかったら もう少し嬉しかったのかな」



「こっちだって冗談じゃねえっつんだよ
なんでよりによってお前なんだよ!」



「それはこっちのセリフだ!!」



「「・・・・・・」」









「オレはお前が好きだ」



「え?」



「いがみ合ってんのも、ついつい突っかかってケンカになるのも・・・お前の事が好きだからなんだと思う」



「・・・」



「気持ち悪ぃだろ?男のオレに好かれてるなんてな。・・・ただ、言っておきたかったんだ」



「・・・」



「安心しろよ」



「どういう意味だ?」



「今までと何も変わんねえってこと。衝撃の事実のついでに、衝撃告白ってな!」



それだけ言って帰ろうとしたオレを椿が呼び止めた




「さっきからキミは何を言っているんだ?僕も言ったじゃないか“兄弟がキミでなかったら もう少し嬉しかったのかな”と」



「は?」



「だから、・・・ぼ、僕もキミが好きなんだ」




自然と涙が溢れた



独りじゃなかったことが嬉しいのか、同じ気持ちだったことが嬉しいのか、分からなかったけど



「んじゃ、キスでもしとく?」



「んなっ!?何を突然言い出すんだキミは!!」



「いや、だってよオレ今日、誕生日なのに誰からもプレゼントもらえてないんだぜ?」



「それを言うなら僕だってそうだぞ」



「だから、オレはお前にオレをやるから、お前はオレにお前をくれよ!」



そう言って椿を引き寄せた



あと5p、3p、1p・・・






 
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