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□素直になれない2人
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もうすぐ夏休み
ポカポカとした陽気にあくびが出る
「んあぁぁぁヒマだな・・・スイッチ数えてくれ―――ひまぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜・・・」
たぶん12秒くらいだろうか
しかし、数えるよう頼んだスイッチはいない
「スイッチ居らんで、さっき用事があるって帰ったやん」
「えぇ!?早く言ってくれよ!オレばかみたいじゃん」
「気付いてなかったんかい!・・・まぁ大丈夫や。アンタは最初っからアホやから、今さら驚かんわ」
「え?そっち!?そっちの心配しちゃうの?」
無意味な行動をする佑助とそれにツっこむ一愛
いつもと変わらないスケット団の部室の光景
(あぁ・・・またやってもうた)
激しく後悔する一愛
ケンカごしの告白から10日
2人の関係も相変わらずだった
家まで送ってくれるようにはなったけど、それ以外で変化が見られない
そんな状態に不安を隠せない一愛
(好きって言ったんもアタシやし、送ってくれんの?って聞いたんもアタシ。ボッスンはホンマにアタシのこと好きで付き合うてくれとんのやろか?)
『お前と居ると楽しいしな』
(楽しいだけなら友達でもええんちゃう?)
友達のままではイヤで、もっと親密な関係になりたくて告白した一愛は、もっとカップルらしい事をしたいのが本音のようだ
「んん・・・あぁ」
伸びをする佑助
「あぁ、お茶やな?ちょい待ってな」
佑助が何を求めているのか、声だけで分かるらしい
一愛のもともとの性格か、それとも好きな人の事は分かっちゃう魔法か、定かではないが、こうやって一愛が健気に尽くしているというのに・・・
佑助にはもっと愛情表現をしてもらいたいものだ
「お菓子もいるか?」
「あぁ・・・別に」
いるのか、いらないのか、分からない返事が返る
「どっちやねん!?ホンマはっきりせんやっちゃな」
「なんだと!?オレが意思ユルッユルみたいに言うな!」
「みたいやない。ユルッユルや!」
「お前だってユルユルじゃねぇか?高校では友達作らないんじゃなかったのか!?」
言ってしまってから、マズい事を言ったと気付くが、もう遅い
「・・・それは言ったらアカンやろーーーっ!!」
サイクロンが炸裂した
「痛ってーな!言葉のあやだろ?マジになんなよ」
佑助はさっきまで悪かったと思っていたが、攻撃されてまで謝る気にはなれなかった
一方の一愛も、本気で言ったとは思っていなかったが一度やってしまった以上引っ込みがつかない
「言っていい事と悪い事があるやろ!このデリカシーなし男!ウジ虫!!」
「えぇ?オレ虫なの?ねぇ虫なの!?」
―――――
罵り合いが続いていた
「馬鹿力!ガサツ!!」
「カニ頭!へなちょこ!!別れさせてもらうわ!!!」
「こっちこそ、お前とは付き合ってらんねー!!!」
バーーーンッ
勢いよく扉を開け、出て行く一愛
瞳に涙を溜めているのが見えた