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□恋心
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キーンコーンカーン・・・
「んぁあ〜〜。やっと終わったぜ。鬼塚!部室行こうぜー」
「ええけど、何するん?」
「困ってる奴を助ける」
「それは分かってんねん。その困った人はどこから見つけてくるんや?制服盗難事件以来ぱったりやないか」
「・・・」
「・・・?」
少しの間を置きつぶやいた
「依頼人が来るのを待つ」
「待つって・・・誰か来るまでヒマっちゅうことか」
はぁっとため息をついて部室に入った
結局、何もすることがなく愚痴をいう一愛
そんな時、佑助がひらめいた
「そうだ!団旗が作りてーんだ。デザイン考えようぜ!!」
「ええで。アタシそんなんごっつ得意やねん」
「じゃあ自分の思いついたデザインを描いてみようぜ」
ふふふーんと何やら鼻歌を歌いながら、スラスラとペンを進める佑助
一愛はその姿に見入っていた
(綺麗な指やなー。細っいし、なんや折れそうやわ)
視線に気付いた佑助が一愛に声をかける
「ん?なんだ、出来たのか?」
その言葉にハッと我に返った一愛は「見んなボケェ///」と、つい理不尽なことを言う
「ぇえええ!!?」と、涙目になる佑助
(何見つめとんのやろ?アタシこの前からおかしいわ・・・)
そう思いながらも、つい佑助の方に視線が向かう
(この腕でナックルパンチかまそう思っとったなんて、笑えるわー。ポップキャップもしっかり定着してもうて・・・アカン!藤崎に気が行ってまう///)
―――――
数十分が経ちお互いに絵を見せ合う二人
「うっまぁー。それ手で描いたん?すごいわー」
「こんくらいワケねぇよ。鬼塚はどうなんだ?」
ストレートに褒められ、照れ隠しをしながら一愛のも見ようとする
「・・・・・・」
一愛の絵を見て佑助は一瞬言葉を失った
それもそのはず一愛は不器用だった
「なんだそれ?」
佑助は純粋に疑問を抱いた
描かれていたのは、どこをどう見ても『僕の考えたモンスター』だったのだ
これで得意などとよく言えたものである
「アカン、アカン。アタシほんまは絵とか描けへんねん」
「得意だって言ってたじゃんか」
「せやから、ノリや!ノリ!!」
佑助は半分呆れながら、「それならくつろぎスペースに畳を置くから、枠を作ってくれ」
と、一愛にたのんだ